スポンサーサイト

このエントリーをはてなブックマークに追加 コメント(-) | カテゴリ: スポンサー広告 | 更新日: --/--/-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

澪「私と律は愛しあっているんだ」

このエントリーをはてなブックマークに追加 コメント (0) | カテゴリ: けいおん!SS | 更新日: 2011/01/01 20:00
澪「私と律は愛しあっているんだ」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 20:51:38.43 ID:HDOskb+UO


♪音楽室

紬「澪ちゃん、悩みがあるなら私に話して。
私、人の相談にのるのが夢だったの」

澪「そうか……」

紬「大丈夫よ澪ちゃん。私に話してみて」

澪「いや、うん。その……つまり私は……」

紬「うんうんうんうんうんうん」

澪「り、律を、律のことが……」

紬「はいはいはいはいはいはい」

澪「ええと……す、す、す、す、す、す」

紬「はい、落ち着いて深呼吸して」

澪「す、す、す、す、すす、す、すー」

紬「澪ちゃん。息を吸ったら吐かないと」

澪「はあはあ……すー」

紬「じゃあ深呼吸もしたことだし、再チャレンジよ、澪ちゃん」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 20:54:58.27 ID:HDOskb+UO


澪「律のことを、す、す、す……好きになっちゃったかも……」

紬「……」

澪「……」

紬「……」

澪「……頼むからなにか喋ってくれ」

紬「澪ちゃん」

澪「うん」

紬「その言葉はうそじゃないわよね?信じていいのよね?」

澪「私が冗談やうそが苦手なのはムギも知ってるだろ?」

紬「もしかしたら夢かもしれないから、私の眉毛を撫でてくれる?」

澪「わかった」

眉毛「なでなでなで」

澪「どうだ?(ムギの眉毛……こんな感触なんだ)」

紬「あれ?キモチいい!もしかしてこれは夢なの!?」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 20:59:36.88 ID:HDOskb+UO


澪「……」

紬「少し取り乱しちゃった。話を戻しましょう」

澪「……」

紬「澪ちゃんはりっちゃんのことが…………なんだったかしら?」

澪「え?そこから?」

紬「うん」

澪「ど、どうしてまた同じことを言わないといけないんだ?」

紬「澪ちゃんが言ってくれないと、私は澪ちゃんに協力することができないの」

澪「意味がわからない!どうしてまたそんな、は、恥ずかしいことを言わないといけないんだ!?
そんな……律のことが、す、す、好きなんて……///」ポッ

紬「はいオッケーよ澪ちゃん!
私が恋のキューピッドになって二人を必ず結ばせてみせるわ」

澪「ほ、本当に?」

紬「ええ。まかせて!」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:02:59.06 ID:HDOskb+UO


澪「で、でもどうしよう私……」

紬「決まってるわ澪ちゃん!」

澪「う、うんっ」

紬「告白よ!今すぐりっちゃんに澪ちゃんのその熱くたぎった恋心をぶつけるのよ!」

澪「そ、そんなの無理無理!私にそんな恥ずかしいことできるわけないだろ!?」

紬「澪ちゃんならできるわ!」

澪「できない!」

紬「できる!」

澪「できない!」

紬「りっちゃんの子供を産むことが、」

澪「できる!」

紬「ニヤリッ」

澪「……///」ポッ


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:04:54.29 ID:4PKHUUW50


なんだと・・・


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:07:31.92 ID:HDOskb+UO


紬「二人の結婚式には是非呼んでね」

澪「お、おいおい気が早過ぎるだろ……///」アセアセ
紬「子供ができたら絶対に見せてね」

澪「なんて名前にしよう……ってそういう以前の問題を今まさに私たちは話してたんじゃないか!」

紬「そうだったわね。どこまで話してたっけ?」

澪「私に告白ができるかできないか、まで」

紬「ねえ澪ちゃん。そもそも澪ちゃんは、どうして告白ができないと思うの?」

澪「だって……ハズカシイモン」

紬「じゃあ恥ずかしくなければ告白するのね?」ズイッ

澪「たぶん……ムギ、顔が近い」

紬「ごめんなさい。私もついつい友達が困っていると思うと必死になっちゃって」

澪「そ、そうか……ありがとう」

紬「こうなったら澪ちゃんのために、私が一肌脱ぐわ!」

ベリッ!!


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:13:09.72 ID:HDOskb+UO


紬「澪ちゃん……食べて」ハアハア

澪「なっ……!こ、これは!!」


澪「ム ギ の た く あ ん ! !」ドン☆


紬「沢庵でもあり私の眉毛でもあるそれを食べると……」

澪「ど、どうなるんだ?」

紬「事細かに説明すると医学用語やら難しい言葉が出るからあえて簡単に言うわね」

紬「これを食べると羞恥心が消えるの!」

澪「羞恥心?」

紬「ええ」

紬「たとえばライブの後に縞パンをさらしても恥ずかしくなくなったり」

紬「黒ビキニを平気で着れるようになったりするわ」

紬「極めつけはしま●らの服を着ていても道端を堂々と歩けるようになることね」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:18:15.24 ID:HDOskb+UO


澪「そんなにすごい沢庵を私が食べていいのか?」

紬「いいわ。だって澪ちゃんとりっちゃんには仲良しでいてほしいもの」

澪「……ムギ」

紬「澪ちゃん、さあ」

澪「いただきます!」

パクッ

澪「モグモグ」


紬(ああ……私の眉毛を沢庵だと思って食べてる澪ちゃん……なんて背徳的な絵なの)


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:23:05.24 ID:HDOskb+UO


ボリボリ。

バリバリ。


澪は口内に広がったその沢庵の味に思わず目を見開いた。

これは……

パリっとした歯ごたえと、みずみずしさと、まさに澪の好みにあった、あっさりとした味付け。

自分で料理は作らないくせに妙に料理にうるさい澪も、この沢庵には文句をつけようとは思わない。

おそらくこの沢庵は干して漬ける『本干沢庵』とは、違う製法で作られているのだろう。

そうでなければこのようなみずみずしい食感はありえないはず。

そこで澪は気づいた。おそらくこれは『塩押し沢庵』だろうということに。
このパリッとした歯ごたえと塩分の少なさ。なによりこの沢庵の新鮮さが澪の推測を裏付けていた。

ただの眉毛……もといただの沢庵とは思っていなかったが、まさかこれほどまでとは……!

さすがは琴吹の血を受け継ぐ娘の沢庵!

……と、すっかり本来の目的を忘れて沢庵の味をひたすら噛み締めていた澪に変化が起きた。


澪「…………ク、ク、ククク」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:29:04.79 ID:HDOskb+UO


紬「……」

澪「ククク……」フルフル

紬「……」


澪「ククク……ウハハハハハハハハハハハハハハ!!」ウハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


紬「どうやら私の沢庵の効果が出たみたいね(あれ?おかしい)」

澪「ああ……よくわからないが今ならなんでもできそうな気がするぞ、ムギ!」シャッキ-ン

紬「じゃあさっそくりっちゃんに告白しに行ったら?」

澪「ふっ……てやんでい」フッ

紬(てやんでいってなに?)

ガチャ

律「うぃーす。ただいまりっちゃん隊員が来たぞー」

紬『さあ、今がチャンスよ』ボソボソ

澪「ふっ……笑止」ヘッ

紬(やっぱりおかしいわね……つけてくる眉毛を間違えたのかしら?)


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:35:39.61 ID:HDOskb+UO


律「あれ?唯はどこ行った?」

紬「唯ちゃんなら今日は日直で遅れてくるって言ってたわ」

律「ふーん」

澪「律!」ドン

律「うおっ、なんだよ急に?迫るな暑いから」

澪「私の愛のバクダンがアラクレってるからSanctuaryに旅☆Everydayしよう」キリッ

律「ああ、トイレな」

紬(今のでわかるなんて……さすがはりっちゃんと澪ちゃんね)

澪「それじゃムギ……一心不乱に純情ACTIONして律とSPLASHしてくる」

紬「そう(たぶん普通に用を足すってことよね?そうよね?)」

澪「おでかけしましょ」ア-ッ!!

律「なんか澪、テンション高いな……まあいいや、じゃあちょっくら行ってくるわ」

紬「いってらしゃーい」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:41:27.09 ID:HDOskb+UO


紬「おかしい……私の予定ではあの沢庵を食べるとより女らしくなるはずだったのに……」

紬「ただでさえ可愛い澪ちゃんが余計に可愛くなったら、りっちゃんも澪ちゃんに惚れるだろうと思ったのに……」

紬「どうも本当につけてくる沢庵を間違えたみたいね……あんなの澪ちゃんじゃないわ」

ガチャ

梓「すみません遅れました……ってムギ先輩だけですか?」

唯「あ、ホントだ。りっちゃんと澪ちゃんは?」

紬「二人ならトイレに行ってるわ」

唯「それより早くお菓子食べたい!今日はなになに?」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:43:53.76 ID:HDOskb+UO


紬「今日はチョ……」

ガチャ

律「ただいま帰ったー」

澪「…………」

唯「んん?澪ちゃんのほっぺ真っ赤になってるよ。どうしたの?」

澪「なにWonderfulOpportunityを逃しただけだ」フッ
律「そのB'zネタ入れて喋るのムカつくからやめろ」ムスッ

澪「ふっ……愛する律のためだ仕方ないか」コクッタ-
梓「……!?」

唯「まあいいや。早くお菓子食べよ~」

律「食うぞ食うぞ」ムスッ-


紬(これは……りっちゃんと澪ちゃんになにかあったみたいね)


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 21:51:10.95 ID:HDOskb+UO


♪部活後

紬「さて澪ちゃん」

澪「ふっ……どうした?
悪いが音楽室に二人きりというシチュエーションだとしても私が、ドキがむねむねするのは律だけだぞ」

紬「安心して。今の澪ちゃんにはときめかないから」

澪「それで?本来なら今頃律とふたりで帰宅という絶好の機会を奪ってなんのようだ?」

紬「そのことについては謝るわ」ペコリ

澪「いや謝らないでくれ。少し調子にのった。それよりムギには礼を言いたい」

紬「お礼?」

澪「ああ。ムギのおかげでこうして私は本来の私をさらけ出すことができたんだ」

紬「不思議。お礼を言われて初めて複雑な気持ちになったわ」

澪「なに、複雑なお年頃なんだろう。気にすることはない」フッ

紬「ところで澪ちゃん。その右のほっぺはどうしたの?」スル-

澪「ああこれか?これは私の強すぎる愛が起こした災いによってできたものだ」キラ-ン

紬「真面目に言ってるの」プン


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:02:33.78 ID:HDOskb+UO


澪「落ち着け。今から話すから」

紬「それで?」

澪「ああ、さっき私と律が」

ガチャ

少女A・S「あのーすみません」

紬「あなたたちは……」

澪「なんだ私のファンか」

紬(ま、まずいわ!今の澪ちゃんは非常にイタい娘になってしまっている)

紬(今まではイタいのさじ加減がいい感じだったからよかったものの。
ここまで突き抜けると……さすがにちょっと……)

少女A「秋山先輩。先ほどお手洗いから出てきたところをた ま た ま 見たんですけど……」

少女S「トイレに入ったときにはなにもなかったのに、トイレから出た後には右頬が赤くなってました」

少女A「そしてそのときツレシ……ではなく田井中先輩と一緒にトイレに入りましたね」

少女S「そしてその時トイレにいたのはふたりだけ。つまり……」


少女A・S「田井中先輩になにかされましたね!!」ビシッ


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:07:31.43 ID:HDOskb+UO


紬「…………」

少女A・S「……なにか言って下さい秋山先輩」

澪「あのさ……」

少女A・S「はい」

澪「私と律はな、幼なじみで昔からずっと一緒に過ごしてきたんだ」

少女A・S「……はい」

澪「たいていのことなら律のことはわかるし、律もたぶん私のことならたいていのことはわかるはずだ」

紬「澪ちゃん……」

澪「私と律は愛しあってるんだ」ズキュ-ン


ちーん


澪「わかってくれたか?」

紬(なにが!?)

少女A・S「はい!」

紬(わかるんだ……さすがファンクラブね)


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:14:08.95 ID:HDOskb+UO


紬(でも……私の沢庵のせいで澪ちゃんの性格ははちょっとイタくなったけど……)


澪「律は私にとって星のような存在なんだ。そもそも私たちの出会いは……」ア-ダコ-ダア-ダコ-ダ

少女A・S「おおー」パチパチ


紬(ああやって目を輝かせてりっちゃんのことを話す澪ちゃんは、やっぱりすごく魅力的だわ)




澪「というわけで私と律のラブラブっぷりぷりがわかってもらえたところで、本日は解散!」

少女A・S「はい!」

紬(澪ちゃんの語りはすごく長かったけど、よしとしよう)


少女A・S「あ」


紬「どうしたの?」

少女A「その……実は秋山先輩がトイレから出てきたときなんですが……」

少女S「私たち秋山先輩が田井中先輩になにかされたんじゃないかって思って
急いでファンクラブのみんなにメールを回したんです」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:19:59.66 ID:HDOskb+UO


紬「つまり……」

澪「そのことはファンクラブの何人かに伝わってしまった……そういうことだな?」ビシッ

少女A・S「いいえ、全員です」

紬「あらあら」

澪「ふっ……さすがは私のファンクラブメンバーと言ったところか」ビックリ
紬「澪ちゃん。クールにキメてる場合じゃないと思う」

澪「ああ。つまり私と律の関係がファンクラブに知れ渡ってしまったんだろ」ハハハハ

紬「間違ってる。りっちゃんが悪者にされてるってことよ」

澪「なんだと!?」キョ-ガク

少女A・S「す、すみません!私たちのはやとちりで」


澪「……」ム-

澪「…………」ムム-

澪「………………!」ピコ-ン


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:26:19.98 ID:HDOskb+UO


澪「ふっ……思い付いたぞ」キラ-ン

紬「なにを?」

澪「誤解を解く方法を、だ」ギュ-ン

少女A・S「さすがです秋山先輩!」

紬「それでその誤解を解く方法は?」


澪「私のファンクラブメンバー全員をこの音楽準備室に集める」

澪「そして、私の律への思いをありのままにみんなの前で語ろう!」ドン☆

紬(普段の澪ちゃんなら絶対にしない発想ね)

少女A「なるほど!」

少女S「そうすればすぐに誤解を解けますもんね!」

澪「ああ。さっそく明日にでもすぐ誤解を解けるように私が生徒会長の和に伝えておこう」

少女A「じゃあ私たちは、みんなに明日、音楽準備室に集まっもらうよう連絡しておきますね」

澪「頼んだ」


紬(大丈夫なのかしら?)


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:28:34.29 ID:HDOskb+UO


前編・完


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/22(土) 22:30:47.08 ID:HDOskb+UO


『後編』


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:11:24.13 ID:IY0jP6LcO


♪次の日の放課後・音楽準備室

唯「うわー相変わらず澪ちゃんのファンクラブは人がいっぱいだね」

梓「前より増えてる気がするんですけど……」

紬「以前と全く同じ状態だけど……」

唯「ていうか今回は私たちは、本当になにもしないんだね」

梓「ずっと舞台裏にいるんなら私たち別にここにいなくてもいいんじゃ……」

紬「ダメよ。澪ちゃんはまだ私の沢庵の効果が残ってるから」

梓「……詳しくは聞きませんけど、いったいムギ先輩の眉毛ってなんなんですか?」

紬「知りたかったら唯ちゃんとイチャイチャして」

梓「意味がわかりませんからっ」テレテレ

唯「あれれー?あずにゃんの顔が赤くなってるよー?」

梓「ち、ちがいますから」

和「唯たち、そろそろ始まるわよ」

唯「あ、和ちゃん」

和「あ、じゃないわよ。もう澪のほうは準備万端よ」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:18:00.96 ID:IY0jP6LcO


和「それにしても澪はどうしちゃったの?澪が自分から進んで人前に立とうなんて……なにかあったの?」

唯「和ちゃんもそう思うよね。なんだか今朝から澪ちゃんの様子が普段と違うしね」

和「なんか妙に堂々としてたり、言動がいちいちおかしかったわね」

梓「想像がつかないですね、そんな澪先輩」

紬「澪ちゃんに安易に沢庵を食べさせるんじゃなかったわ」

唯「まあまあ最終的にもとの性格に戻るんでしょ?」

紬「ええ。早ければ今日中にでも」

紬(……たぶん)

梓「そういえば律先輩はどこにいるんですか?」

紬「りっちゃんなら先生に進路のことで相談があるから遅れてくると思うわ」

和「そろそろ始まるわよ」


唯『それじゃみなさんお待ちかねの秋山澪ちゃんの登場でーす』


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:25:48.17 ID:IY0jP6LcO


ガチャ

澪「…………」スタスタスタ


梓「本当に前回とは別人のように堂々としてますね」

唯「澪ちゃんカッコイイ!」

紬「でもいったいどうやってりっちゃんの誤解を解くのかしら?」

和「そうよね。澪はあんまり口が上手いわけじゃないしね」


澪「本日はわざわざ集まってくれてありがとう」キラ-ン

佐々木「秋山さん、今日は一段とカッコ可愛いわね……」

少女A「素敵……」

少女S「抱かれたい……」
澪「さて、今日はあらぬ誤解を受けた、幼なじみでもあり同時に親友でもある
田井中律の誤解を解くために私はこうして今みんなの前に立っているわけだ」

澪「しかし、生憎私はとても口下手だ。万が一私の律が誤解されるのは困る」

澪「そこで、私の律への思いを綴った詩を書いてきた。聞いてくれ!」ドンッ☆

澪「『ニンニクにくにくにっこにこー』」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:32:46.32 ID:IY0jP6LcO


『ニンニクにくにくにっこにこー』

ふたりっきりでたべる焼肉 会話はないけどあたたかい

きっとこのあたたかさは焼肉のせいだけじゃない

あなたとわたしがふたりでいるから ああ あたたかい

にんにくをすりつぶしましょう

にんにくを焼肉のタレにいれましょう

きっと口 臭くなるけど

それがふたりで食べた焼肉のあかしなの

ニンニクが生み出すあたたかさ

ニンニクのかおりのするふたりだけの空間

ニンニクが誘いだすふたりのえがお

ニンニクにくにくにっこにこー


作・秋山澪


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:39:31.17 ID:IY0jP6LcO


澪「みんな、この私の詩をどう思う?」キリッ


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:48:39.59 ID:IY0jP6LcO


ちーん

和「す、すごいわね……」

梓「みんな黙ってしまいましたね」

唯「えーすごく素敵な詩だと思うんだけどなあ」キラキラ

紬「でも……」


一同「」ポカ-ン


梓「タチの悪い魔法にでもかけられたみたいにファンクラブのみなさん固まってますね」

和「仕方ないわ。あの詩を聞いた後じゃ誰だってああなるわよ」


澪「どうだろうか?私の律に対する思いが少しはわかってもらえたと思うが」

澪「まあ、私と律の間についてきちんと説明しようと思うと、それはそれは時間がかかるからあえて説明はしない」

澪「それに説明する必要もない。私と律を見ていればお互いに愛し合っているということがよくわかるはずだからな」


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 11:57:23.91 ID:IY0jP6LcO


唯「ねえねえムギちゃん」

紬「なあに?」

唯「仮にムギちゃんの沢庵の効果が消えたら、澪ちゃんはどうなるの?」

紬「普通にもとに戻るはずだけど」

唯「記憶はどうなっちゃうの?」

紬「それは沢庵の効果が効いているとき記憶も、そのまま残るはず」

唯「なあんだ。じゃあ澪ちゃんは記憶のことで困ったりしないんだね」

紬「ええ」

唯「よかったよかった」

紬「うふふそうね」

唯「あははははは」

紬「うふふうふふ」


和「……澪にとっては不幸ね」

梓「澪先輩、お気の毒様です」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:00:26.71 ID:IY0jP6LcO


澪「……」

澪「…………」


唯「澪ちゃんいつまで黙ってるんだろうね」

梓「そういえばずっと沈黙してますね」

紬「もしかして……」

和「この状況で記憶が戻ったのかも」


澪「………………」フルフル

佐々木「秋山さん、どうしたんだろ?」ヒソヒソ

少女A「ずっと黙ってますね」

少女S「あっ……」

澪「アワワワワワワワワワワワワワ」ガタガタ

澪「いやあああああああああああああああああああああ」ピュ-ン


唯「澪ちゃんが全力で部屋から出てちゃった!」


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:10:32.56 ID:IY0jP6LcO


和「記憶が戻ったのね」

唯「なるへそ~」

紬「それで澪ちゃん恥ずかしくなって逃げ出したのね」

梓「なにはともあれ澪先輩がもとに戻ってよかったですね」


和「……って、よくないわよ!」ツッコミ!

唯「へ?どうして?」

和「澪が繊細な娘だってのは知ってるでしょ?」

唯「うん」

和「想像してみなさい。もとの性格に戻った澪が今の今までの自分の行動を思いだしたら」

和「間違いなく羞恥心と後悔で枕を濡らすわ」

和「それだけじゃないわ。もしかしたら学校にもう来なくなるかも」

和「いいえ!最悪自殺するかもしれないわ!」ドンッ

唯「そ、そんな……」ガクブル

紬「まさか私の沢庵が澪ちゃんを……」

梓「ちょっと、ていうかだいぶオーバーな気がするんですけど」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:18:55.20 ID:IY0jP6LcO


唯「あずにゃん!」ダキッ

梓「ここで抱き着く意味がわかりませんけど、なんですか?」

唯「澪ちゃんはね、とっても繊細な女の子なんだよ。だから和ちゃんが言ってることは全然オーバーじゃないよ!」フンス

梓「はあ……そうですか」

紬「とにかくなんとかしないといけないわね」

ガチャ

律「よっす。澪の様子はどうだ?」

唯「おおりっちゃん!ちょうどいいとこに」

律「どしたの?」


紬「実はというと……」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:31:07.76 ID:IY0jP6LcO


♪街中

澪「……」トボトボ

澪(ああ……久々に死にたいと思ったかも)

澪(なんで今まであんな恥ずかしいことをしてたんだろう?)

澪(詩をみんなの前で発表するのはともかく、その後、律についてあんな風に……///)

澪(思いだしただけで死にたくなるな)

澪(いや、それだけじゃない)

澪(この右のほっぺも律にやられたものとはいえ、もとはと言えば私のせいだし……)


澪(はあ……)


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:38:51.31 ID:IY0jP6LcO


♪一日前・女子便所

澪「さて、律。どうして私が一緒に花摘みに行こうって言ったかわかるか?」

律「いやさっぱり」

澪「だろうな」

澪「しかしこの場合たとえ律がまったく私の考えを汲み取ってなくても、私は行動に移るけどな」

律「はい?」

澪「今、私と律は互いに便所の個室にいる」

律「そうだな」

澪「この瞬間はつまり用を足しているがゆえにお互いに無防備」

律「……ええと、言いたいことがよくわからない」

澪「まあ、じっとしてろ」

澪「今からそっちに行くからな」ビシッ

律「なんでだよ!?」

澪「私と律は愛し合っているんだ」スレタイ!

律「意味がわかんねえよ!!」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:45:40.39 ID:IY0jP6LcO


澪「私の愛が私をこんな行動に駆り立てるんだ。恨むなら私を惚れさせたお前自身を恨むんだな」フフフ

律「責任転嫁も甚だしいわ!」

澪「今の私には何を言っても無駄だ……今会いに行きます!」

律「こっちくんなああっ!」

澪「便所のフタを閉じてそこに乗って、仕切に手をかけてケンスイの要領で……」

澪「こんにちはー」ヒョコリ

律「の、のぞくなあああぁぁ」

澪「後は仕切をまたいで……」ヨッコラッショ

律「パンツ丸見えだぞ」パンツマルミエ-

澪「問題ない。今の私に羞恥心はない」

律「また縞パンか?」ホホウ
澪「さて、律」シュタッ

律「まさか本当にこっちに来るとは……」アゼン


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 12:56:32.73 ID:IY0jP6LcO


澪「もはや私と律の距離はほとんどゼロ」

律「なにする気だ!?」

澪「決まってるだろ……想い人の両の頬を優しく包み込んで顔を近づけてやることと言ったら……」ムチュ-

律「頭突き!」ドスッ!

澪「ぐはっ!」

律「な、なにしようとしてんだ!?女どうしなんだぞ!?」

澪「問題ない。愛は国境をまたぐから」ムチュ-

律「ますます意味がわからないぞっ!つうかお前がまたいだのはトイレの仕切だ!」

澪「ちなみに律がまたいでるのは便座だけど。とりあえず、私とキスしっほっおお!」ビンタキマッタ-


律「なにがあったのか知らないけどいいから落ち着け!」

澪「私は普段となんら変わりないが?」

律「ウソつけ!」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 13:03:09.24 ID:IY0jP6LcO


澪「どうでもいいがウソつけと言うのは
それはウソだ、という意味だが、ついつい私はそう言われるとウソをつきたくなるな」

律「本当にどうでもいいな」

澪「まあいい。放課後の学校は事に及ぶのに非常に都合のいい時間だ」

律「さっきからお前、ただの変態としか思えない発言しかしてないな」

澪「そうか?女どうしだからって遠慮する必要はないだろ?」

律「いやもうお前秋山澪じゃねえよ。澪の皮被った別人だろ?

澪「ああ。私は進化したからな。今の私は秋山澪Vだからな」

律「なんだよそのVは?」
澪「ヴァージンのVだ!」フンス

律「進化してないじゃん!」

澪「言われてみると確かにな。だがこれには深い意味があってだな」

律「なんだよ?」

澪「私と律は女どうしで愛し合っているが
女どうしであるがゆえに、たとえ愛し合っていても一生ヴァージンという深い」ウンタラカンタラ

律「もういい口を開くな」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 13:09:21.95 ID:IY0jP6LcO


澪「そうだな。私と律の間に言葉は不要だ」

律「そういう意味で言ったんじゃねえよ」

澪「今日という一日を心に刻ませてやるからな」

律「トラウマとしてか?私に一生もんのトラウマを背負わせる気か?」

澪「さあレッツゴおおいいぶはっあああああああああああ!!」ドガシャン!

律「またビンタしちゃったわけだけど……つうか説明してないから伝わるわけないんだろうけどさ」

律「私は今の今までずっと便座に腰掛けてんだよ。
お前とのアホなコントで痔になったらどうすんだ」

澪「そのときは私が律の肛門をやさしく(以下略)」ヘンタ-イ

律「もういい。私は音楽準備室に戻るから」プン

澪「ひとりじゃ寂しいだろ?エスケープする」キリリッ

律「おう。私の前から逃げろ」


♪回想終了


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 15:55:07.25 ID:IY0jP6LcO


澪(私って最低だ……)

澪(自分でなにもしようとしないでムギに頼ってそのあげく……)

澪(律にひどいことして……はあ~)

澪(もういいや。今日は帰ろう。帰って寝ちゃおう……!?)


キキキキキキキー!!!


澪「トラッ…………きゃああああああああ!!!」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:03:16.00 ID:IY0jP6LcO


男はハンドルを切ると、目の酷使と先天的なドライアイから、目を何度かしばたたかせた。
ここ最近の過労は、四十路を終えようとしている身体に容赦無く負担をかけていた。

少しコンビニかどこかで休憩しないと事故でも起こすかもしれない。

佐●急便に勤めて、今年で二十三年になる男はため息を漏らした。
なぜこの仕事に就いたのだろう。アクセルを踏む足に僅かに力が入った。

大学を中退したのが原因なのだろうか。
大学時代、学校に馴染めなかった男はバイトにのめり込んで、気づいたら講義をサボりがちになっていた。

最終的に大学を中退してしまったがその頃の彼にとっては
大学をやめたことに対する不安よりも、馴染めない大学に通わなくても済むことに対する安堵のほうが遥かに大きかった。

そうして大学を中退した彼は昔から憧れていた劇団に入団した。
小さな劇団であるがゆえに給料はまさに雀の涙だったため、他の仕事と掛け持ちしなければとても生活などできなかった。

大変だったし辛かったが決して辞めようとは思わなかった。

彼は演技の魅力に引かれていた。

いつかは自分も主役として舞台に立つ。
その遠大な目標のために彼はひたすら自らの演技を磨きつつ、がむしゃらに働いた。

しかし、神様は男に対して意地悪だった。


108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:12:50.01 ID:IY0jP6LcO


男は劇団の同僚に騙されて借金の保証人になってしまった。

どうしてあんなに安易に印鑑を押したのかわからない。
過去に戻れるなら……何度そう考えたことだろうか。

もっとも過去を悔やんでいる暇などはなかった。
借金の返済のために男は劇団を辞めざるをえなかった。

必死に仕事を探して、ようやく佐●急便に就職することが決まった。
それまでよりも更に忙しくなって辛かったが、それでも給料は劇団のそれとは比べものにならなかった。

数年かけてやっとのことで借金を返済した。
そうして気づけば彼は妻帯者になっていた。

子宝にも恵まれて息子を二人、娘を一人授かった。

子供を授かったとき、幸せというものが、どういうものか初めてわかった気がした。

さらにその五年後には出世して主任になることができた。
順風満帆――このまま自分の人生はうまくいき続ける。そう信じて疑わなかった。

しかし、一つの電話が彼の人生の歯車を再び狂わせた。


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:14:11.14 ID:dszLd7cpP


超展開wwwwwwwwwwww


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:19:40.50 ID:IY0jP6LcO


それは弟からの電話だった。久々の電話に僅かに胸を踊らせていたが、弟の話を聞いてそんな気持ちも消えうせた。

――トラックで人をはねてしまった。

そんな内容を聞いて、しかし、男の胸を過ぎったのは驚きなどではなく、むしろ、またか、というある種の呆れだった。

男は京都の港町で、兄弟十三人の長男として生まれた。
人数が多過ぎることにも驚きだったが、みんな男というのには、もはや驚きを通りすぎて感心してしまうほどだった。

そして更にすごいのが兄弟全員がトラックの運転手だということだ。
一番下の弟も大学を出て、クロネ●ヤマトに勤めはじめたということを聞いた。

もっとも、一番の驚きは兄弟の中で自分と一番下の弟以外全員、人をはねているということだ。
しかも狙いすましたかのように決まって女子高生をはねている。

しかもはねる相手はどの娘も茶髪にヘアピンをしているという共通した特徴を持っているというのだから
どうコメントをしたらいいのか、男には全然浮かばなかった。

そしてそんな弟の凶報の後に、仕事で受け持つ班を変わることになった。


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:29:53.30 ID:IY0jP6LcO


最初は特に深く考えていなかった。ただ人員が代わるだけとしか思わなかった。

しかし、二週間もしないうちに男は頭を抱えるはめになった。
言ってみればその担当することになった班は問題のある人間の集まりだったのだ。

主任としてメンバーのシフトを組めば、必ず文句を言って、そのあげく逆ギレしだすものがいた。

仕事をまともにこなせない新人(と言ってもその新人は男よりも年上なのだが)のために男は、休日を返上して彼に仕事を教えた。

しかし、これで済むならまだマシだったかもしれない。

他の会社に漏れず不況の煽りを受けた佐●は容赦なく社員の給料を下げた。
そのせいでただでさえ人数の足りていないこの会社は、更なる人員不足に悩むことになった。

当然社員一人一人の労働時間は余裕で労働基準を破っていた。
休日返上は当たり前。更には労働基準法を守っていないことがばれないように
休日出勤時は自家用車での配達を強いられ、結果ガソリン代による出費までかさむという、最悪の状態が続いた。

そのことに怒った妻が本部に電話をかけたこともあったが、一日だけ早く帰らせてもらっただけで、結局なにも変化しなかった。

何日も家庭を顧みず働きづめの日々は、家庭に不和をもたらした。
最近は疲れているせいもあるだろうが、それ以上に家に漂う不穏な家族の雰囲気が男の口数を極端に減らしていた。

もっとも家に帰れるのもせいぜい一週間に一回程度だが。

ああ……疲れたな――またもやため息が出る。


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:38:29.97 ID:IY0jP6LcO


そこで、男はふと気づいた。


自分がいつのまにか赤信号を無視して、交差点を渡ろうとしていることに。


男の視界に映ったのは横断歩道を俯いて歩いている長い黒髪の少女。


――まずい!


とっさに男はブレーキをを踏んだ。


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 16:51:59.90 ID:IY0jP6LcO


♪街中

和『電話しても出ないわね……こうなったら』

紬『とにかく澪ちゃんを探しにいきましょう』

唯『うん!しょーしんの澪ちゃんをわたしたちで慰めてあげよー』

紬『大丈夫だとは思うけど……念のため手分けして探しましょ』

梓『そうですね』

律『よし、梓とムギ、唯と和に別れて探そう』

唯『りっちゃんは?』

律『私は一人でいいよ。三つに別れて探せばその分早く見つけられるだろ?』

佐々木『あ、あの……』

少女A『私たちにも秋山先輩を探すお手伝いをさせてください』

少女S『私たちも先輩のことが心配なんです』

秋山澪ファンクラブメンバー一同『お願いします!』

唯『みんな……』

律『よーし、そうと決まればさっそくみんなで澪を探しに行くぞー!』オ-


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:00:48.10 ID:IY0jP6LcO


律(しっかしなかなか見つからないな)

律(あちらこちら回ってみたけど……収穫はなし、か)

律(たくっ、だいたいなんで澪は私なんかを好きになっちゃたんだよ……)

律(まあ……)

律(私も澪のことは嫌いじゃないし……大切だけどさ)

律(そもそもムギの沢庵のせいでおかしくなった澪をぶっ叩かなければこんなことにはならなかったんだよな……)

律(……気まずくて今日はあまり喋れなかったし、澪を見つけたら)

律(いっぱい話そう)

律(そんできちんと謝ろう)

律(あっ……そっか)

律(澪のやつのことだし、きっとどこかにぶらっとするぐらいなら家に帰ってるよな)


律「よーし、そうとわかれば澪の家に直行だ!」ピュ-ン


121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:06:29.41 ID:IY0jP6LcO


俺もついに人をはねてしまうのか――人殺しに成り下がってしまうのか。
男は運命を呪った。神様を怨んだ。そして――

ごめんな。

妻と自分の子供たちに心の中で謝った。

俺、犯罪者になるけど許してくれ。
ここんとこ構ってやれなくて本当にごめんな。
こんな情けない親父で本当にすまん。


最後に今まさに轢き殺そうとしている少女を気の毒に思った。

名前も知らないお嬢さん、本当にすまない。せめて苦しまないように死んでください。

兄弟、俺もそっちにいくぜ。

男が諦めて目を閉じかけたその時。


――必死の形相で、

――黒髪の少女に向かって手を伸ばして、


――晒した額に汗を浮かべた少女が――横断歩道に現れたのが、男の目に飛び込んできた。


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:21:15.92 ID:IY0jP6LcO


間に合うか……っ!


田井中律がなにか考えがあって横断歩道に飛び出したのかと言えば、別にそんなことはなく
ただ幼なじみが――澪がトラックにひかれそうになっている、その事実が目に飛び込んで、それで気づいたらそうしていたにすぎなかった。

必死に手を伸ばす。

歯を食いしばる。


律「みおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


無意識に叫んでいた。

自分のところへ引き寄せようとして、しかしミスした。

勢いをつけすぎた結果、律は澪にタックルをかます形となってしまった。


123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:34:34.28 ID:IY0jP6LcO


律「…………」

律「私は死んだのか……

澪「りつうううううううううううううううううわわあああああああんん!!」ダキッ

律「うおお!?」ビックリクリ
澪「どぁい゛じょお゛ぶう゛う゛うううううぅぃ」

律「えーとどうなったんだ?」

澪「り゛づがあ゛あ゛あああわだじを……た、すけて……くれ、で」ヒック

律「……そういやそうだったな」ヨシヨシ

澪「うぅ~」

律「澪はケガないか?」

澪「わ、わだしは……だ、大丈夫」

律「とりあえず一旦ここからどこう、な?」

澪「……ぅん」コックリ


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:42:44.54 ID:IY0jP6LcO


澪「……」

律「ようやく落ち着いたな」

澪「……うん」

律「…………」

律「澪」
澪「律」

律・澪「あ……」

律「……」

澪「……私から喋っていい?」

律「うん」

澪「昨日のことは……その、ムギの沢庵のせいとはいえ本当にごめん」

律「うん」

澪「でも、あんな風に馬鹿なことしたのは沢庵のせいでも、律のことがす、す、す、す、す」

律「…………」

澪「す、す、す、す……////」ボッ


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 17:51:28.08 ID:IY0jP6LcO


律「…………」

ミオチャンガンバッテ-

澪「す、す、す、す、す…………す///」

ハズカシガッテルバアイジャナイワ

アキヤマセンパ-イガンバッテ

ミオチャンイマコソユウキヲフリシボルンダヨ-

澪「す、す、す、す、す、す、す、す、すk
紬「じれったい!!」ド-ン

唯「あー!ムギちゃんなんで勝手に出ちゃダメだよー!」

律「……」

澪「……え゛?」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:00:08.67 ID:IY0jP6LcO


律「……」フルフル

澪「え?え?どういうこと?なんで唯とムギがいるんだ?」アセアセ

和「私もいるわよ」ポンッ

梓「私もいます」ポンッ

さわ子「ついでに私もいるわよ」ハジメテノトウジョウヨ!

少女A・S「私たちもいます!」ポンッポンッ

佐々木「どうも。私もいます」ササキ-ン

秋山澪フ(以下略)「私たちもいます!!!!!!!!」

澪「」アゼン

律「……ふ、ふふ、あはは」

澪「いつからみんなそこにいたんだ!?」

律「いや、ずっとそばで私と澪のこと見てたじゃん」

澪「な……っ!?」ガビ-ン


129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:12:21.42 ID:IY0jP6LcO


律「いやーてっきりみんなの存在に気づいていたから緊張していたのかと思ったら……」

澪「り、律はとっくに気づいてたのか!?」

律「気づくもなにも、おもいっきり視界に入ってたもん」

紬「いいの澪ちゃん!私たちの存在はないものと思ってさっきの続きを!」シャララン

唯「ガンバって!」ファイト-!

さわ子「はい続き、続き、続き、続き」カモ-ン

澪ファ(以下略)「秋山先輩頑張って下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

澪「もうやだ……」トボトボ

律「おーい、澪。ひとりで帰ると危ないぞー」


梓「澪先輩、踏んだり蹴ったりですね……」

和「まあ、命があるだけいいんじゃない?」






男「あれ?俺の存在忘れられてね?」


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:22:24.51 ID:IY0jP6LcO


♪帰り道

澪「……」デロ-ン

律「みーお、元気だせよー」

澪「うう、今日は私の人生で一番最悪な日だ……」ウウゥ

律「……私にとっては最高の日だったけどなあ」

澪「……?」

律「いやあ確かに踏んだり蹴ったりだったし、私も澪も死にそうになったけどさ」

律「私は嬉しかったな」

澪「どうして?」

律「澪の本音が聞けたかかな……いや、まだ完璧には聞いてないか……」ニヤリ

澪「な、なんだよそのやらしい笑いは!?」

律「うん?ただ澪の愛の告白をもう一度聞きたいなあ、ってさ」

澪「なっ……///」


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:31:31.16 ID:IY0jP6LcO


律「なにを恥ずかしがってるんだよ?さんざん昨日私に愛のコトダマをぶつけてきたくせにぃ」ニヒヒ
澪「あ、あれは……///」カアアァァ

律「うんうん、あれは?」

澪「ぁレハ……」ウウゥ

律「まあ、澪イジメもこんくらいにしておくか」

澪「へ?」

律「いや~あんまりイジメると昨日のおバカな澪が夢に出てくるかもしれないだろ?」

澪「だからあれは……っ」

律「わかってるって。澪ちゅわんの愛の告白はまた今度の機会にとっておくよ」

澪「……」

律「じゃあこれにて解散!バイバイっ」ス-タコラサッサ-


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:42:21.01 ID:IY0jP6LcO


澪(これで……これで終わっていいのかな?)

澪(律……)

澪(……)

澪(……そうだ!)ピコ-ン

澪「りいいいいつー!」スタスタスタ

律「うん?」クル

澪「律……」ハアハア

律「どした?もしかして私とお別れするのが寂しくなった?」

澪「それもあるけど……ってバカ!」

律「はは、それで?」


134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 18:51:06.23 ID:IY0jP6LcO


澪「こ、これを受けとってくださいっ!」ビシッ

律「これは……手紙?」

澪「詩だよ……律に私の想いを知ってほしくて書いた詩なんだ」

澪「私はあんまり口はうまくないから……言葉で伝える代わりにそれで……」

律「澪……」

澪「その……家で読んで。恥ずかしいから……///」

律「……うん」

澪「そ、それじゃ……」


律「ストップ」ガシッ

澪「な、なんだよ……///」カアアア

律「チューはさすがに私も恥ずかしいから、おでことおでこで、デコチューってことで」

澪「……バカ」


律「へへ……じゃあまた明日な」

澪「うん。また明日」


136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:02:22.82 ID:IY0jP6LcO


♪次の日・下駄箱

澪(……一睡もできなかった)

澪(というか、律のやつなんで今日に限って先に学校に行ってるんだろう?)

澪(一緒に登校したかったのに……バカ律……)

澪「ん……下駄箱になにか入ってる……」

澪「!」

澪(私の詩だ!)

澪(もしかして読んでくれてないのか?)

澪(……見てみよう)


138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:13:13.81 ID:IY0jP6LcO


澪「……」ヨミヨミ

澪「……あ」

澪「……律」

和「おはよう澪」

澪「……おはよう」

和「?」

和「どうしたの?珍しくにやけちゃって。それに顔も少し赤いわよ?」

澪「ふふ……朝からいいことがあったんだ」

和「?」

澪「♪」


139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:24:30.27 ID:IY0jP6LcO


『ニンニクにくにくにっこにこー』

ふたりっきりでたべる焼肉 会話はないけどあたたかい

きっとこのあたたかさは焼肉のせいだけじゃない

あなたとわたしがふたりでいるから ああ あたたかい

にんにくをすりつぶしましょう

にんにくを焼肉のタレにいれましょう

きっと口 臭くなるけど

それがふたりで食べた焼肉のあかしなの

ニンニクが生み出すあたたかさ

ニンニクのかおりのするふたりだけの空間

ニンニクが誘いだすふたりのえがお

ニンニクにくにくにっこにこー

二日目もきっと臭うだろうな けれどそれが二人が昨日一緒にいた あ か し

今日からまた ニンニクよろしく 明日からも ニンニクよろしく

ニンニクにくにくにっこにこー


140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:26:21.35 ID:IY0jP6LcO


作・秋山澪・田井中律



















おわり


142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:27:41.28 ID:Be5444270





144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/23(日) 19:32:15.80 ID:DqrQabWH0


乙。面白かったよ





    スポンサーサイト澪「私と律は愛しあっているんだ」のコメント
コメントの投稿







管理者にだけ表示を許可する



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。