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美琴「しっかりと手、つないでてよね?」

このエントリーをはてなブックマークに追加 コメント (0) | カテゴリ: とある魔術の禁書目録SS | 更新日: 2011/01/15 14:00
美琴「しっかりと手、つないでてよね?」


1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 11:53:59.77 ID:WZ6RDLS10


美琴「今日もアイツに会えなかったな…」

今年、常盤台中学3年に進学した御坂美琴は、
桜舞い散る遊歩道でがっくりと肩を落としながらそうつぶやいた。
アイツとはもちろん上条当麻のことであり、
彼を探して街中を出歩くことは美琴にとってもはや日課になりつつあった。
しかし、ここ数日は上条に会える機会が無く、美琴は悶々とした日々を送っていた。

美琴「いつもの公園にもいないし、ホントにどこで油売ってんのかしら」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 11:55:58.03 ID:WZ6RDLS10


美琴「はぁ…今日はもう暗くなってきちゃったし、また明日にしよう…」

携帯を使えばすぐにでも連絡が取り合えるのだが、
自分からするのはどうにも恥ずかしくてそれが出来ない美琴である。

美琴「せっかくペア契約したのに、こんなんじゃダメよね。でも、タイミング良くアイツからメールとか、来たりしないかな~」

淡い希望を抱きながら、寮に帰ろうと踵を返した美琴の視界の先に、見覚えのあるツンツン頭があった。


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 11:58:56.42 ID:WZ6RDLS10


美琴「(あ…っ!見つけた!やった、久しぶりに話せる!)おーい、ちょっとアン……」

大声で上条を呼ぼうとした美琴は、上条が一人でなく、誰かと喋りながら歩いていることに気付いた。
それが女だとわかった瞬間、胸がキュッと締め付けられるように痛む。

美琴(誰だろうあの女の人…どこかで見たことがあるような…もう、せっかくアイツと話せると思ったのに、なんなのよ。
こっちはずっと探してたのに…)


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:00:56.66 ID:WZ6RDLS10


上条と知らない女が一緒に歩いている。
ただそれだけで美琴は自身の感情が黒い何かに蝕まれていくのを感じた。
しかも何やらとてもいい雰囲気だ。この距離からでも上条が時折笑ったりしているのがわかる。
女の方もまんざらではないようだし、何より二人の距離がとても近いように思える。

美琴(アイツ、私といるときはあんな風に笑ったりしないのに…
そりゃ、私がいっつも素直になれないからってわかってる、わかってるけど…)


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:04:02.60 ID:WZ6RDLS10


一定の距離を保ちつつ、上条たちの後を追う美琴。
上条と女が何かリアクションを取るたびに、美琴の胸の痛みは強くなっていく。
同時に、思考も黒く染まっていく。

美琴(なんなのよあの女…アイツにあんなに近付いちゃって…もっと離れなさいよ!
なんで、なんであんな楽しそうにしてるの?……苦しい、苦しいよ…嫌だ、もうこんなの見たくない!)


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:05:56.07 ID:WZ6RDLS10


自分の内側からあふれ出る苦しみと憎悪の念に堪え切れなくなった美琴は、その場から逃げるように立ち去った。
こんなことを思ってしまう自分はなんて醜いんだと、自責の念に駆られる。


美琴(…今日はもう帰ろう。帰って寝て、早く気分転換しよう)


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:07:56.66 ID:WZ6RDLS10


**********


重い足取りで寮まで帰ってきた美琴は、倒れるようにベットに横になった。

黒子「お姉様、お帰りなさいませ。今日も遅かったですのね」

美琴「うん…ちょっとね。なんか疲れちゃったから、シャワー浴びてすぐ寝るわ」

黒子「大丈夫ですの?何かありましたら、黒子が相談にのりますが…」

美琴「ホントになんでもないから大丈夫、ありがとね黒子。」

黒子「ならよいのですが…」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:13:12.24 ID:WZ6RDLS10


白井黒子は、美琴があの殿方…毎日上条のことを遅くまで探していることを知っていた。
もちろん美琴本人から聞いたわけではないが、出かける時に「今日こそはアイツに…」などと、
独り言を呟いていれば嫌でもわかってしまうというものである。

それ以外にも、美琴が夜な夜な、愛用のゲコ太抱き枕に当麻~と抱きついていたり、
携帯のペア契約のときに撮ったという画像を携帯の待受けに設定していたりと、
美琴がどれだけ上条にお熱であるかは、同居人である黒子が一番理解していた。


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:15:24.79 ID:WZ6RDLS10


黒子(黒子と致しましてはお姉様の気持ちが上条さんに向いているということはいささか悲しいことではありますが…)

黒子(しかし、お姉様の幸せが黒子の幸せですの。上条さんは決して悪い方ではございませんし、
黒子はお姉様の恋路を応援していますわ)


**********


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:19:14.49 ID:WZ6RDLS10


シャワーを浴びている時も、ベットに横になっている今も、さっきの光景が頭から離れない。
そしてそれを思い浮かべるたび、チクチクと胸を針で刺されたかのような痛みが走る。

美琴(あの女の人、アイツとどういう関係なんだろ…もしかして彼女?
…いや、アイツに限ってそんなこと!…でも、アイツ、すごく楽しそうだった…)

痛みは、やがてドロドロとした黒いものに変わっていく。嫉妬という感情が、美琴を徐々に蝕んでいく。


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:21:28.03 ID:WZ6RDLS10


美琴(なんで私が、アイツの…当麻の隣にいないんだろう。当麻の隣に他の誰かがいるなんて…そんなの嫌!)

時刻は午前1時を過ぎたころ。黒子はもう寝入っているようで、すぅすぅと微かに寝息が聞こえる。
気付いたら美琴は、上条に電話していた。いてもたってもいられなくなったのだ。
普段なら恥ずかしくて出来ないが、今は素直にコールボタンを押すことが出来た。


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:23:43.76 ID:WZ6RDLS10


美琴(こんな時間じゃもう寝てるかな…でも、当麻の声が聞きたい。声を聞いて、安心したい…)

数コール後、待ち望んでいた声が携帯から聞こえてきた。

上条『んん……え、御坂?こっこんな時間にどうしたんだ?上条さんはちょうど寝たとこだったんですが…』

美琴「ごっごめん…えと、別に用があるってわけじゃなくて、ただ、最近話してないから、
どうしてるのかな~…なんて、お、思ったりして…」

上条『あっあぁなるほど…まぁ何かあった、とかじゃなくてよかったよ。
そういや最近はバッタリ会ったりもしてないな。俺のほうは普段通りだけど、御坂は最近どうだ?』


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:26:36.55 ID:WZ6RDLS10


美琴「わ、私は…ちょっと、嫌な事があって、あんまり元気がない…かな」

上条『えっ?おいおい、大丈夫か?何があったかわからねぇけど、
俺にも出来ることがあれば、するぞ?相談にのったりとか』

上条の何気ない優しさが、美琴にとって一番の特効薬であった。
彼はいつだって自分のことを元気付けてくれる。もっとも、上条本人にはその自覚は多分ないが。
そんな彼に、甘えてみようと思った。いつもは素直になれないが、
今日は不思議と思っていることを口に出すことが出来た。


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:30:02.94 ID:WZ6RDLS10


美琴「じゃ、じゃあ…今度、私と…その、デートしてくれる?」

上条『デ、デート!?いや、御坂がそれで元気が出るってんなら喜ん…いっいやいや、もちろん良いけど…
その、ホントに俺なんかとで、いいのか?』

美琴「ア、アンタだから誘ったんじゃない。アンタこそ、私とじゃ不満だっていうの?」

上条『えっ…いや、滅相もございません!
そうなれば男上条当麻、美琴お嬢様を出来る限り楽しませるように努力する所存でございますっ!』


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:32:14.68 ID:WZ6RDLS10


美琴「ぷっ…なによそれ…ふふ、とにかくOKってことでいいのね?
(やった…!当麻をデートに誘えた!嬉しい…しかも、美琴って…)」

思わずニヤニヤとしてしまうほどに、美琴は舞い上がっていた。
いつもは照れ隠しで電撃を放ってしまうことばかりなのに、なんという快挙だろう。
勇気を出して本当によかったと心から思えた。

美琴「じゃ、じゃあ今週の日曜日って、空いてる?」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:34:16.86 ID:WZ6RDLS10


上条『今週の日曜日?……あ~ごめん御坂、その日はもう予定が入っちゃっててさ…他の日でもいいか?』

美琴「予定?いつも暇暇言ってるアンタに?……それって一体どんな予定なの?」

上条『え~と…ほら、まぁ大したことじゃないんだが…』

言い淀む上条に、美琴は嫌な予感がした。言いづらいことということは、補習等ではない。
かといって男友達と遊びにいくのを誤魔化そうとしたりするだろうか?
そうなると、必然的に…


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:35:42.68 ID:WZ6RDLS10


美琴「もしかして……今日一緒にいた女の人とでも、遊びに行くの?」

こんなことを言ったら上条を見ていたことがバレてしまうが、一度口から出た言葉は止まらなかった。
今はとにかく、この嫌な疑念を振り払いたかった。
そうであって欲しくない、そうであるもんか、そんなわけ…

しかし、電話越しに聞こえた声は、ひどく慌てていて、

上条『えっなっなんでわかったんだ!?ってか、なんで今日のこと知ってるんだよ!?』


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:40:51.79 ID:WZ6RDLS10


あぁ、嫌な予感ほど、的中してしまうものなんだ。
さっきまで浮かれていた自分は、一体なんだったのか。もうすでに、先を越されていたのだ。
しかも、相手はあの女。きっと自分が知らないうちに二人の仲は進展していて、
もうデートとかすることが当たり前で…それで、当麻は私のことなんてどうでもいいと思ってるんだ。
いや、そうに違いない。
もしかしたら深夜にいきなりこんなことを言ってきて、めんどくさい奴だとさえ思っているのかもしれない。


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:42:10.06 ID:WZ6RDLS10


美琴「そう、なんだ……ごめんね、私、邪魔だよね?さっき言ったことは忘れていいから、その日は楽しんで?」

上条『おっおい御坂?どうしたんだよ突然…別に予定がかぶったなら他の日にすりゃいいだけじゃねぇか!』

一度悪い方向に考えが転がりだしたら、もう止まらなかった。
美琴は嫉妬、後悔、憎悪、絶望という様々な感情の奔流に飲み込まれ、
まともな思考が出来なくなっていた。
眼からはいつの間にか涙が溢れだし、嗚咽が止まらない。


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:44:14.85 ID:WZ6RDLS10


美琴「ううん、いいの…ひっく…だって当麻、今日その人とすごい楽しそうに話してた。
わっ私…声かけようとしたけど、出来なかった…
だって、あっ…あんなに良い雰囲気だったのに、割って入れるわけ…ないよね…」

上条『みっ御坂…おっ落ち着けって!あれはたまたま友人と再会したってだけで…』

美琴「…っ、んっ…いいんだよ?気を遣わなくて…
当麻、優しいもんね…わたしを…ひっくっ…傷付けないようにしてくれてるんだよね…」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:45:06.42 ID:ajfi6ZaY0


か わ い い


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:47:22.06 ID:WZ6RDLS10


上条『だからそんなんじゃ…!…だぁ~もう!御坂っ今からお前のとこいくから待ってろ!
待ち合わせ場所は何時もの自販機の前っ!すぐ行くからな、切るぞ!』

美琴「…えっこっちに来るってどういうこ……!」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:49:56.21 ID:WZ6RDLS10


すでに電話からは通話終了を告げる無機質な電子音が鳴っていた。
美琴はしばらく携帯を眺めていたが、やがて手でグシグシと涙をぬぐうと、
寮監に見つからないように注意をしつつ、部屋を抜け出した。


黒子(…お姉様。ファイト、ですの。お姉様の素直な気持ちをぶつければ、きっと大丈夫ですわ)


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:53:36.60 ID:WZ6RDLS10


*********


場所は何時もの公園。時刻は午前2時を回ろうとしており、
最近では蹴られることも無くなった自動販売機が淡い光を放っている。
そんな中、美琴は一人佇んでいた。

美琴(当麻から私を呼び出すなんてこと今までなかった…
嬉しい、嬉しんだけど…会って、どんな顔すればいいんだろ…
さっきなんて、あんなに取りみだして迷惑かけちゃったし…)


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:56:14.76 ID:WZ6RDLS10


美琴がそんなことを考えていると、上条が走ってやってきたのが見えた。
自身を深い闇の底から救いあげてくれた、私のヒーロー。その姿を見た瞬間、心臓が大きく跳ねる。

上条「ぜぇ…ぜぇ…わりぃ御坂、あんなこと言っといて待たせちまったか?」

美琴「うっううん、私もさっき来たとこだったから…」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 12:58:04.98 ID:WZ6RDLS10


上条「そっか、それはよかった……ふぅ、やっと落ち着いてきたぜ…やっぱ急な運動はするもんじゃないな」

上条はそういって息を整えつつ美琴に微笑みかける。
その笑顔を見た瞬間、美琴の心臓はより一層跳ねあがり、徐々にその鼓動は早くなっていく。

美琴(その笑顔、反則…!…わっ私のためにこんなに息が切れるまで急いで来てくれるなんて…
やば、めちゃくちゃ嬉しい…ふにゅぅぅ……)


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:02:00.46 ID:WZ6RDLS10


元はと言えば自分が一方的に舞い上がって、落ち込んで、泣いて…上条を困らせた。
本当なら愛想を尽かされてもおかしくないのに、文句ひとつ言わず駆けつけてくれた。
そのことが美琴にとってなにより幸福な事であった。

なんだかんだで、いつも自分のことを気にかけてくれている…そんな彼の優しさが、


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:03:30.98 ID:WZ6RDLS10


美琴(やっぱり私…当麻のこと、好き…大好き。どうしようもないくらい…)



普段ツンツンしてばかりで素直になれない少女を突き動かした。


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:06:33.00 ID:WZ6RDLS10


重なる二つの影。美琴は上条に抱きつき、上条の胸に顔をうずめる。

上条「みっ…御坂!?いっいきなりどうしたんだ…?」

美琴「…このまま、私の話を聞いてくれる…?」

上条「え…?あ、あぁ…わかった」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:09:08.62 ID:WZ6RDLS10


美琴は、上条に抱きついたまま、静かに話し始めた。上条の心臓の鼓動が伝わってくる。
その鼓動がとても心地よく、美琴は自分の思っていることを伝えることが出来た。

美琴「私…嫉妬してたの。アンタと女の人が一緒に歩いてるのを見て」

上条「…っ、それって…つまり…」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:11:17.15 ID:WZ6RDLS10


美琴「うん…私、ア……と、当麻のことが………好き、なの…」

美琴「普段はいつも照れちゃって、電撃を浴びせちゃったりするけど…」

美琴「本当は好きで、大好きでしょうがなかった。一方通行から私と妹達を救ってくれたときから、気になって…」

美琴「今では、もう当麻無しなんて考えられないっ!
…だから、今日当麻が知らない女の人と歩いてるのを見たとき、胸が張り裂けるかと思ったわ…
それで、早く当麻から離れろ!とか、ひどいこと思っちゃったり…」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:14:21.49 ID:WZ6RDLS10


上条「………」

美琴「そんなこと考える自分は最低だって、後になってすごい悩んだ。あの女の人はなんにも悪くないのにって。」

美琴「…でも、当麻がどこか遠くにいっちゃうんじゃないか、って…
…んっ、考えたら、すごい怖くなって…ひっく…で、なんで今まで素直になれなかったんだろう…って…
も…もし、素直になれてたら、当麻は私に振り向いてくれてたんじゃないか、って……ふぇっ!?」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:15:55.89 ID:WZ6RDLS10


美琴の話は途中で中断された。上条が美琴を強く抱きしめたからだ。

上条「…ごめんな、今まで御坂の気持ちに気付いてやれなくて…」

美琴「とっ当麻…?い、いきなりどうしたの…?」

上条「今日一緒に歩いてたのは、さっきも言ったけど友人であって、決して恋人とかじゃねぇからさ。」

美琴「ほっ本当…?でも、今度の日曜日も一緒に遊ぶって…」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:19:37.86 ID:WZ6RDLS10


上条「いや、そいつは実は学園都市の人間じゃねぇんだよ。
で、つかの間の休暇をとってこっちに遊びに来たらしいんだ。
そこで、知り合いである俺が学園都市を案内するって話になっただけであってだな…」

美琴「そうだったんだ…ごめんね、それなのに勝手に嫉妬して、泣いて…迷惑だったよね…」

美琴は、そういう事情だったことに安堵したと同時に、強い自己嫌悪を覚えていた。
そんな美琴の頭を上条は右手で優しく撫でながら言う。


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:21:16.61 ID:WZ6RDLS10


上条「気にすんなよ。多分俺が逆の立場で、美琴が誰か知らない男と歩いてんの見たら、同じ気持ちになってただろうし」

その言葉に美琴はハッと顔を上げ、上条を見つめる。上条は美琴の潤んだ上目遣いにドキッとしてしまう。

美琴「え…?当麻…も、もしかして…」


上条「え~と…だからさ、つまり…俺も、その…け、結構前から…」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:24:09.76 ID:WZ6RDLS10


上条「だぁぁぁぁ!よしっ言うぞっ!」

上条は一度大きく深呼吸すると、まっすぐ美琴の眼を見ながら、








「好きだ、御坂。こんな俺でよければ…付き合って、欲しい」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:27:19.07 ID:WZ6RDLS10


静寂。しかし、二人にはお互いにうるさいぐらいに鳴り響く心臓の鼓動が聞こえていた。
美琴は、上条が自分に向けて言った言葉の意味を少し時間をかけて理解し…
驚きと同時に、今まで感じたことのないほどの幸福感で胸が満たされていくのを感じた。
涙が溢れ、上条の顔が見えない。でも、彼はたしかにここにいて、私を優しく包み込んでくれている。
そんな彼の温もりに身を任せ、返事を伝える。



美琴「…うっ、ひっく…はい…!こんな私でよければ…んっ、よろしくお願いします…!」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:31:48.77 ID:WZ6RDLS10


嗚咽しながら答える美琴。ただこの涙はさっきまでとは違い、とても温かい意味を持った涙だ。
上条はそんな美琴を見て、とても愛おしい気持ちになった。

上条(やべぇ…嬉しい!今、全然不幸じゃねぇ!幸せってこいうことなのか…
そして、今の御坂は…正直、めちゃくちゃ可愛い……)

美琴はそんな上条の視線に気付き、照れて顔を赤くしながらもそっと目を閉じる。





そうして二人は、そっと触れあうだけの、キスをした。


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:33:57.96 ID:WZ6RDLS10


**********



時は少し流れて今は8月、セミの鳴き声が絶え間なく鳴り響いており、天気は晴天。文句なしの行楽日和である。

二人が付き合うこととなったあの日以来、
美琴は当麻に対して自分の気持ちをかなり素直に伝えられるようになった。
まだたまにツンツンしてしまうときもあるが、もう美琴の本心を知っている当麻は
そんな美琴も可愛いと言って、美琴をふにゃ化させるというのが、一連の流れとなっている。


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:36:07.64 ID:WZ6RDLS10


あの日の夜中に、上機嫌で寮に戻ってきた美琴を、なぜか起きていた黒子が

「お姉様ぁぁ!その表情は…うまくいったんですのね!おめでとうございますの!
でも、お姉様のことが喜ばしい反面、黒子は…黒子はぁぁぁぁ!」

と、泣きながら出迎えたり、
二人が付き合ったことを知ったデルタフォース+嫉妬に燃えた男たちに当麻が追いかけまわされたり、
当麻を諦めきれずに未だ闘志を燃やす者がいたりもするが、
今では学園都市公認のカップルになりつつある。


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:38:49.83 ID:WZ6RDLS10


そんな中、上条当麻と御坂美琴は新しく学園都市にオープンした水族館に来ていた。
二人は13時から開始予定の、イルカショーの会場に向かっているところである。

美琴「当麻っ!ほら、早くしないと席が埋まっちゃうわよ~!」

当麻「はいよ~…にしても、ホントにすごい人数だな…こりゃ一回はぐれたらなかなか合流出来なさそうだ」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:40:14.76 ID:WZ6RDLS10


美琴「ならさ、はぐれないようにしっかりと手、つないでてよね?」

美琴は、上条に手を差しのべながら、にっこりと微笑んだ。
当麻はその手をぎゅっと掴むと、

当麻「あぁ、わかってるって。絶対離さねぇよ。…さて、行くか美琴!イルカが俺たちを呼んでいるっ!」

美琴「うんっ!れっつごー!」


その後、イルカショーにて当麻がびしょ濡れになるお話は、またの機会に。




おしまい


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 13:41:02.88 ID:xU4vzQ/V0


えんだあああああああああああああああああああああああああああ


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/16(日) 14:02:53.11 ID:6nob//gg0


爽やかな感じが良かった
乙!





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