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めんま「みっけぇ!!」

このエントリーをはてなブックマークに追加 コメント (0) | カテゴリ: その他 | 更新日: 2011/05/13 19:00
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:03:18.40 ID:pCZoUTOk0


いつからだろうこの家の中という檻に入ったのは
といってもこの檻を選んだのは自分だ

外からは相変わらずうるさく泣き続けているセミの声が響いている
あの頃から少しも変わらない

がやはり子供の頃とまったく同じだとは思えない

思い出がそうさせるのか、自分がそうさせたのかはわからない
もう戻れないし、戻る気もさらさらないが
今でもあの少女の姿が僕の脳裏から消えないのだ

「めんま・・・」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:04:40.26 ID:pCZoUTOk0


ミンミンミンミンミンミンミンミンミンミーン…

あの日もセミがやけにうるさかった記憶がある

じんたん「あの山の上に早く着いた奴が最強な!!」

めんま「えぇ!待ってよじんたん!」

ゆきあつ「おいっ待てよ!」

あんなクソ暑い日によく走り回れたと思う
今ならクーラーの効いた部屋に一日中いたいと言うだろう
というか今がそうだ


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:06:02.64 ID:pCZoUTOk0


ただ山の中で走って走って走って
それだけで楽しかった

人間関係も勉強も恋愛もなにも関係ない
その自由を子供ながらに感じていたのかそれは定かではないが
ただ楽しかったのは間違いない

そんな夏の日いつもの場所で

「家出をしよう!!」

そんな話が持ち上がった


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:06:39.98 ID:pCZoUTOk0


めんま「でもぉ… お母さんたち心配しないかなぁ?」

あなる「そうだよぉ… それにどこに行くっていうの?ここ使うの?」

『ここ』というのは言うまでもない
森の中の秘密基地のことだ


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:07:40.65 ID:pCZoUTOk0


じんたん「ここじゃいつも通りでつまんねーだろ!!」

ゆきあつ「じゃあ…どうすんだ?」

ぽっぽ「どうすんだ?」

じんたん「いいか?一つの場所にいるとすぐに見つかっちまう」

めんま「じゃあどーするの?」

じんたん「動きつづけりゃみつかんねぇはず!!」 ドンッ!!


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:08:25.04 ID:pCZoUTOk0


「おおーーーー!!」

みんなが納得した
今考えれば納得できうる理由が見つからない

ぽっぽ「じんたんつえーよ!!」

つるこ「でもなんでそんなに家出したいの?」

じんたん「そんなん決まってんだろ!!」

みんなが注目する



じんたん「なんかかっこいいじゃん!!」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:08:51.42 ID:pCZoUTOk0


理由は至極簡単なものだった
しかしそれぞれの心の中に家出に対する憧れがあったのだろう
皆が賛同しみんながその気になった
皆が見つからないための作戦を考えて、何を持っていくかを話し合った
途中からだいぶ話がそれて嫌いな学校の先生の話になったが…

「じゃあ明日の1時にここに集合な!!」

それぞれが家出に夢を抱いて家路についた


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:09:39.61 ID:pCZoUTOk0


そして次の日の1時
じんたん めんま ゆきあつ あなる つるこ ぽっぽ
それぞれがそれぞれのリュックに思い思いのモノを詰め込んで秘密基地にそろった
じんたん「じゃあ最初にみんなが持ってきたもの確認な!」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:10:40.82 ID:pCZoUTOk0


めんま「はーい!!じゃああたしから!!」

 カントリーマーム うまい棒 アポロチョコレート…

じんたん「なんだよめんま!お菓子ばっかりじゃねぇか!!」

めんま「だってー 途中でおなかすいたらどーするの? いーもん!じんたんには分けてあげないんだから!!」

ベーっと赤い舌をめいいっぱいだしてそっぽを向いてしまった


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:11:19.34 ID:pCZoUTOk0


つるこ「じゃあ私ね」

絆創膏 包帯 消毒液  虫よけスプレーなどの応急処置用の道具とスケッチブック

つるこ「みんながけがしちゃったら大変だから」

ぽっぽ「俺はねー!!俺はねー!!」

ジャーンッ

そう自分の口で言ってなかから出てきたのはインスタントラーメンの山

じんたん「ナイスだ!!ぽっぽ!!これでラーメンには困らねぇ!!」

というとめんまの方を向き、なぜか勝ち誇った顔をした


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:12:04.45 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「俺はこんなもんかな」

ゲームボーイアドバンスSP 懐中電灯 水 乾パン

じんたん「避難袋かよ!!」

ゆきあつ「ないよりかはましだろ」

あなる「わたしはねー…」

リュックから出てきたのは大量の花火 そしてライターだった


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:12:38.08 ID:pCZoUTOk0


じんたん「うぉぉぉぉ!!すげえ!ロケット花火にねずみ花火まであんじゃねぇか!!」

あなる「家にあった花火ぜーんぶ持ってきちゃった!!」

ぽっぽ「あなるの花火!あなるつえーよ!!」

じんたん「俺はこれだー!!」

なかから出てきたのはゲームボーイアドバンスSPと

めんま「えー?コロコロー?」

皆があっけにとられていた


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:13:16.40 ID:pCZoUTOk0


じんたん「今月号だぜ!!最初は母ちゃんの蒸しパンいれてこよーと思ったんだけどよ、これ入れたら入らなくなった!!」

めんま「えー!!めんまぁ、ジンタンのおばさんの蒸しパンたーべーたーい!!」

みんなからブーイングをくらいながらも半ば強引に

じんたん「じゃあ家出に出発だー!!!!」

「おーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

こうして子供6人の家出が始まったのだった。


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:14:00.85 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「で どこに行くんだったけ?」

「「「あ。」」」

結局決まっていなかったことを全員が思い出した

めんま「じゃあ あれで決めよう!」

めんまが指さしたのはただの棒切れ
めんまはその棒を手に取り

めんま「そーっれ!!」

棒は空中で勢いよく、くるくると回ってみせて地面に落ちた


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:14:49.91 ID:pCZoUTOk0


めんま「あっちにけってーい!!」

じんたん「よっしゃあっちだな!」

つるこ「大丈夫かな…」

暑い日差しが照りつける中
どのくらい歩いただろう
もう隣町ぐらいは来ていたと思う
子供の足の力ではどこまでいけるかなんてたかが知れているが
この時ばっかりはどこまでもいけると思っていた


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:15:29.16 ID:pCZoUTOk0


あなる「このまま行ったらどこにつくのかな?」

ぽっぽ「ニューヨークとか行けるかな?」

じんたん「どこまでもいけるに決まってんだろ!!」

目的の場所もないままずっとただただ歩いていた
そしていつの間にかあたりはオレンジ色になっていた

めんま「じんたーん!おなかへったー!」

あなる「私もー…」

じんたん「よし!!ぽっぽお前の出番だ!!」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:15:51.87 ID:pCZoUTOk0


ぽっぽ「まかせろー!!」

そういうとぽっぽはリュックの中からインスタントラーメンを取り出した

ぽっぽ「ラーメン♪ラーメン♪」

ゆきあつ「おいちょっとまて…」

じんたん「どうしたゆきあつ?」

ゆきあつ「お湯がないのにどうつくるんだ?」












ぽっぽ「あっ そっかー」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:16:32.78 ID:pCZoUTOk0


じんたん「じゃあどう食うんだよ!?」

ぽっぽ「そのまま…とか?」

つるこ「固いけど大丈夫?」

じんたん「いけんだろ!!」

ぽっぽ「ジンタンつえーよ!」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:17:02.33 ID:pCZoUTOk0


ガリッ がりっ 

じんたん「いってー!!ラーメン刺さったー!!」

ゆきあつ「大丈夫じゃなかったな…」

じんたん「しかも味ないし…」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:17:38.84 ID:pCZoUTOk0


めんま「じゃあめんまカントリーマームたべるー」

あなる「めんまー私にもちょうだーい」

めんま「いいよぉ!みんなも一緒に食べよ!けどじんたんには絶対にやらないからねー!」

じんたん「えぇーっ!マジかよ・・・」

ゆきあつ「まぁ 自業自得だな」

めんま「ウソだよー!じんたんも一緒にたべよ!!」

あなる「これ終わったら花火しよ!花火!」

ぽっぽ「はなび!はなび!」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:18:32.62 ID:pCZoUTOk0


もうあたりは暗くなり始めていた
オレンジの光を放っていた夕日もどこかへ消えてしまっていた

めんま「うわぁ… きれー!」

じんたん「くるくるってするともっときれいだぜ!」

あなる「ちょっ じんたん危ないよ!!」

ぽっぽ「くるくるー!くるくるー!」

ゆきあつ「こっちくんな!熱いって!」

つるこ「みんな危ないよ!!」

さまざまな色の光は夜の暗闇の中を縦横無尽に走り回り消えていった


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:19:03.56 ID:pCZoUTOk0


じんたん「爆竹やろうぜ!!爆竹!!」

めんま「えー!音こわいからやだなぁ」

じんたん「あの音がいいんだよ!」

ゆきあつ「ふつうの花火のが面白いだろ」

そうゆきあつが言って花火に火をつけようとしたときだった


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:19:42.97 ID:pCZoUTOk0


「ちょっと君たち?」

じんたん「ん?」

そこにはどことなく見慣れた服装の中年男性が立っていた

めんま「うわぁ お巡りさんだー!」

お巡り「君たちおうちはどこ?親御さんは近くにいるの?」

じんたん「えーっと・・・」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:20:12.40 ID:pCZoUTOk0


お巡り「こんな時間になにしてるの?」

ぽっぽ「家出!!」

ゆきあつ「おいっ…」

お巡り「!?」

お巡りの目の色が変わった

じんたん「みんなにげろー!!」

みんな一目散に走り出した


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:20:41.08 ID:pCZoUTOk0


お巡り「こら!君たち!待ちなさい!!」

お巡りも少し遅れて走り出した
といってもこっちはいつも山の中で走っているのだ
走ることに関しては自信がある
しばらく走っているといつのまにかお巡りは見えなくなってしまった

ゆきあつ「ハァハァ…どうにかまいたみたいだな…」

じんたん「大人ってちょろいな!!」




めんま「ねぇ…じんたん…」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:21:19.27 ID:pCZoUTOk0


じんたん「どうしためんま?」

めんま「おしっこぉ…」

じんたん「なんだよ そこら辺の草むらでして来いよ」

めんま「やだよそんなの!!」

あなる「じんたんさいてー」

じんたん「んだよ ションベンなんかそこらへんですりゃいいじゃねぇか」

つるこ「女子はそういうわけにはいかないの!どこかにトイレないかな…」

ゆきあつ「ここらへんの人に聞くしかないな…」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:21:53.54 ID:pCZoUTOk0


あたりを見回すと手をつないでイチャイチャしている若い男女の姿があった

じんたん「あの人たちに…きくか?」

ゆきあつ「それはちょっと…」

さすがにあの間に入っていくのは子供といっても少し抵抗がある
しかし めんまの顔はもう限界という顔をしていた


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:22:25.72 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「いくか」

じんたん「マジかよ… つえーなお前…」

ゆきあつ「しょうがないだろ」

めんまのためだ
とは恥ずかしくて言えなかった


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:22:51.55 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「あの…すいません」

平沢唯「え?なーに?どうしたの?」

ゆきあつ「ここらへんでトイレってどこにありますか?」

唯「えーっとね… どこにあるっけ俺くん?」

俺「えー… トイレか… たしかあそこら辺に公園があったはずだからそこにあるとは思うんだけど…」

ゆきあつ「なにか目印があれば教えてほしいんですが…」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:23:18.06 ID:pCZoUTOk0


俺「たしか交番のちかくだったと思うよ」

ゆきあつ「交番・・・」

交番があるということはさっきのお巡りがいるということだ

唯「どうかした?」

ゆきあつ「いえ ありがとうございました!」

唯「ばいばーい!」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:23:44.60 ID:pCZoUTOk0


交番の近くの公園のトイレを使うことには抵抗があったが
めんまの限界のことも考えると使うほかない
ましてや間に合わないということにもなるとかなりのトラウマをめんまに背負わせることになるかもしれない
それだけはさせたくなかった

じんたん「どうだった?」

ゆきあつ「場所はわかった…」

めんま「ほんと!?よかったー」

ゆきあつ「けど問題があって…」

じんたん「どうした?」

ゆきあつ「交番の近くなんだ…」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:24:20.63 ID:pCZoUTOk0


みんながさっきあった出来事を思い出した

じんたん「めんま…やっぱりそこらへんの草むらでしてこい」

めんま「いーやーだー!!」

ゆきあつ「とりあえず様子を見に行こう」

夜の公園は遠目に見ても不気味な雰囲気だ
人は公園のベンチに酔っぱらいのおっさんが酒を抱えて寝てるだけだった
交番近くにあるからというのもあって少し怖かった


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:25:05.44 ID:pCZoUTOk0


じんたん「うーん… どういっても交番の前とおるな…しかもあのお巡りいるし」

つるこ「けど私たちのこと覚えてるかな?」

あなる「まだ大丈夫?めんま?」

めんま「なんとか…」

口ではそういってるものの
めんまの顔はもう限界という顔をしている

ゆきあつ「俺が…俺がおとりになるよ」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:25:32.87 ID:pCZoUTOk0


じんたん「マジか!?」

つるこ「ホントに行くの?」

ゆきあつ「ああ… めんまの限界も近いしな」

ぽっぽ「ゆきあつ つえーよ!!」

あなる「しーっ! 声大きい!」

ゆきあつ「俺が合図だしたら急いで公園に行けよ」

めんま「わかった…」

ゆきあつ「おわったらここに集合だ…じゃあ 行ってくる」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:26:31.91 ID:pCZoUTOk0


大丈夫だ
いつも山ん中で走り回ってるんだ
大人なんかに負けるか

もしかするとあのお巡りが俺たちを覚えていないかもしれない
そうだったら堂々と歩いてもばれないはずだ

ゆきあつ(最初は歩いて様子見か…)


ゆっくり ゆっくり 交番の前を横切る
ここでもうすでに走り出したかったがここで走り出すとあまりにも不自然だと思った


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:27:06.46 ID:pCZoUTOk0


お巡り「ん…? あれは…さっきの…」

お巡りが立ち上がった
やはり集団家出の子供を忘れるわけがなかった
ゆきあつ(もういいか… いやまだひきつけてから…)

お巡り「きみ…さっきの…」

ゆきあつ「ッ!!」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:27:30.40 ID:pCZoUTOk0


お巡りの言葉を待たずにゆきあつは走り出した

お巡り「あっ…こら!!君待ちなさい!!」

大丈夫さっきのように走ればいける
またまくことぐらいできるはず
しかしさっきのようにお巡りの姿は消えてくれない

ゆきあつ(クソッ… まだ追ってくるのか…)


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:27:56.22 ID:pCZoUTOk0


ここからは鬼ごっこの要領ではなくかくれんぼの要領をつかった方がいいかもしれない
こっちの方が体は小さいのだ 隠れる場所ならいくらでもある
しかも今は夜 余計に見つかりにくいはずだ

ゆきあつ(なにか隠れる場所はないか・・・!?)

遠くをみると道路の脇に大きなな木があった

ゆきあつ(とりあえずあそこの陰に隠れるか)

スピードを限界まで上げお巡りの姿が消えてから急いで木の陰に隠れた
いやでも上がる息と心拍数を無理やりに潜めて機をうかがう


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:28:36.03 ID:pCZoUTOk0


お巡りはゆきあつの前を通りすぎていった

ゆきあつ「まいたか…」

ホッと息をついて服についた泥を払い
周りに気を付けながら木の陰から出た
またあの場所へ行かなくてはいけない




「大人をおちょくるのもいい加減にしなさい」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:28:57.71 ID:pCZoUTOk0


不意に低い声が聞こえた

ゆきあつ「なっ!?」

声のした方向を見るとあのお巡りがたっていた

お巡り「もう鬼ごっこは終わりだよ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁ!!」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 20:29:26.93 ID:pCZoUTOk0


わけもわからず走った
ただただ走った 恐怖心が足を動かしていた
迷走の果てにたどり着いたのは交番ちかくの公園だった

ゆきあつ(どこでもいい 早く隠れなきゃ…)

走りに走って朦朧とした意識の中でトイレの建物の裏に隠れた

お巡り「どこに隠れたかしらんがもう逃げ場はないぞ」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:33:37.39 ID:pCZoUTOk0


少し遅れてお巡りがやってきた
遠くのほうからガサッ ガサッ と自分を探す音が聞こえる

走ったあとで上がった心拍数は下がることなく痛いくらいに拍動している

ゆきあつ(来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな…)

呪文のように繰り返し繰り返し念じ続けた
しかしその思いとは裏腹にガサッ ガサッという音は着実に近づいていた
そしてその音はトイレの建物のすぐ前まで来ていた


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:36:30.10 ID:pCZoUTOk0


お巡り「どこだーい?でておいでー ついでにお友達の居場所もおしえてくれないかなー?」

とうとう裏のほうまで手が伸びようとしていた
もうだめだ 見つかる 
別の場所に移動したら音でばれるだろう しかしここにいてもじきにみつかる
もし走って逃げるにしても さっきのでたらめな走りでもう体力はさほど残っていない

もう観念して見つかるのも手か
大人に勝とうとしたのがそもそもの間違いだったのかもしれない
自惚れた自分をいやというほど憎んだ

ガサッ ガサッ という音がすぐそこまで近づいていた

その時だった


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:41:01.64 ID:pCZoUTOk0


バンッ バババンッ バンッ

すごい爆音が公園に響き渡った

お巡り「なんだ!?そこにいるのか!?」

お巡りは音の方向に走っていってしまった

ゆきあつ(助かった…のか?)

じんたん「ゆきあつ」

後ろから小さな声で聴きなれた声が聞こえた

ゆきあつ「じんたん!?それにみんなも…」

音とは真逆の方から皆がでてきたものだからついびっくりしてしまった


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:43:22.37 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「さっきの音は?たしかあっちの方から聞こえたと思うんだけど…」

じんたん「さっきの音は爆竹だ 例の場所で待ってたらお前が公園に入っていくのが見えたからお巡りに見つからないように準備したんだ」

ゆきあつ「爆竹?でもなんであっちの方から聞こえたんだ?」

じんたん「酔っぱらったおっさんがいただろ?あの人が持ってた酒をつるこの持ってきた包帯にかけて導火線代わりにしたんだ」

ゆきあつ「ホントか… よくそんなこと思いついたな…」

じんたん「まっ 考えたのはつるこだけどな」

つるこ「あの人が飲んでたお酒のアルコール度数が高くてよかったわ」

あなる「ウェー… まだ手がお酒臭い…」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:49:55.31 ID:pCZoUTOk0


ぽっぽ「ゆきあつすげーよ!!」

めんま「ゆきあつありがと!!」

めんまからそういわれるとなんだか心の奥があったかくなる

じんたん「早くこっから離れよう… じゃないとまた見つかっちまう」

ゆきあつ「行くっつってもどこにいくんだ?」

じんたん「すぐそこに山があるんだそこに逃げよう」

ゆきあつ「山か… そういえば夜の山は初めてだな」

じんたん「さすがに山まではお巡りも追ってこれないだろう…」

めんま「夜の山ってなんだかドキドキするね!!」

ぽっぽ「早く行こうぜー!!」

つるこ「じゃあこれ」

ポンッと手渡されたのは虫よけスプレー
ほんとに準備がいい


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:53:54.24 ID:pCZoUTOk0


じんたん「じゃあ出発だぁー!!」

意外にも山の頂上までの道はちゃんとした道だった
といってもコンクリートで補正されたというわけではない
ところどころにみすぼらしい電灯があるだけだったが
それでもちゃんと道にはなっている
しかしそうはいってもすぐ横は崖のようになっている
そしてその中を先頭はじんたん 一番後ろはゆきあつという陣形で進んでいた

めんま「あっ!!ホタル!!」

あなる「うわー きれーー!!」

ホタルなんて自分たちの近所にもいたが
このときはやけにきれいに見えた


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:56:13.52 ID:pCZoUTOk0


じんたん「こっから先は電灯ねーからきをつけろよ!」

ないわけではない
ただ消えているだけだった
しかしここから先は月明かりを頼りにいかなければならない

ゆきあつ「じゃあじんたんこれもっとけ お前先頭だろ?」

といってゆきあつからじんたんに懐中電灯が手渡された
じんたん「おっ サンキュー!」

つるこ「星きれー!!」

つるこがそういうとみんなが空を見上げた


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 22:59:01.49 ID:pCZoUTOk0


めんま「うわーすごーい!!めんまこんなきれいな星空初めて見たー!!」

ぽっぽ「すっげー!!すっげー!!」

あなる「なんだか星がいつもより大きく見えるね!」

電灯がないせいかいつもより空が近く見えた

ゆきあつ「ホントにすげーなこりy

じんたん「すっげーな この星空」

めんま「あっ!もうすぐ頂上だよー!!」

あなる「ほんとだー!!ずいぶん登ったねー!」

じんたん「じゃあ一番早く頂上ついた奴が最強なー!!」

つるこ「走ったら危ないよー!」

それでもみんな走って頂上に向かう


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:07:23.08 ID:pCZoUTOk0


じんたん「俺がいっちばーん!!」

ぽっぽ「ジンタンはっえー!!」

めんま「見てー!!この景色!!」

眼前に広がるのは街色の光
あの光の中に自分たちの家もあるのだろうか

あなる「もー みんな早すぎるよー ってうわー きれー…」

つるこ「すごーい」

遅れてあなる その次点でつるこが頂上についた

あなる「あれ!?ゆきあつは?」

じんたん「あれ?いないのか!?」

つるこ「え!? いないの!? さきに行ったのかと…」

めんま「早く探しに行かないと!!」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:14:36.59 ID:pCZoUTOk0


みんなが頂上に着く少し前
ゆきあつは道の脇の崖に落ちていた

落ちてからしばらくの記憶がない
頭でもうって気を失っていたのだろう
星空を見上げて次の足を踏み出したとき地面の感覚がなかったところまでは覚えている

ゆきあつ「とりあえずここから出ないとな…」

思えば散々な一日だ
お巡りに追いかけられ崖からは落ち
それでも楽しかった それだけは間違いない

ゆきあつ「けっこう高い… ってわけでもなさそうだな…」

それでも一人では登れそうにない

ゆきあつ「おーいっ!!だれかいねーかー!?」

声は虚しく夜の闇に消えていった


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:20:20.29 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「じんたーん!! ぽっぽー!! めんまー!! あなるー!! つるこー!!」

またしても声は闇の中だ
だれかに届いていると思いたい
しかしだれにも届いていないだろう
みんなもうだいぶ先に行ったはずだ

ゆきあつ「だれかーーーーー!!!!!!助けてくれーーーーー!!!!!」

それでも叫び続ける他なかった
そしてついに声は枯れてしまった
でたらめに声を出しすぎたせいだ

ゆきあつ「だれか… たすけて…」

もうその声に力はなかった


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:26:09.91 ID:pCZoUTOk0


懐中電灯はじんたんに渡してしまったし
もう人に自分の存在を知らせるものは何もない

目の前の木々から漏れる街の明かり
どこからか聞こえるリリリリリリリリリリリリという虫の声は孤独を一層際立てた
もう駄目だと思った
ここで誰にも見つからずに死ぬのかもしれない
そんなことを本気で考えた

「ゆきあつーーー!!どこーーー!!」

上から自分を呼ぶ声が聞こえた
心の底からホッとした
ゆきあつ「ここだぁ… 助けてくれぇ…」
しかしその声はほとんど掠れてしまってほんの一寸先の闇の中に消えてしまった


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:29:10.10 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「そんな… すぐそこに… すぐ近くにいるのに…」

自分の存在を伝える手段が見当たらない
もうどうしようもない

本当に独りは嫌だと思った

でもここであきらめてどうする

ゆきあつ(なにか… 使えそうなものはないかな…)

必死にリュックを漁る
しかし何もない
ゆきあつ「やっぱり…もうだめか…」

その時ゆきあつの手に棒状のものがあたった


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:33:45.73 ID:pCZoUTOk0


ゆきあつ「なんだこれ…」

暗がりの中でよくは見えなかったが
なんとなくわかった

ゆきあつ「はな…び?」

たしかにその形は花火だった
火をつけようとしてお巡りに見つかったときとっさにリュックにいれたやつだろうか

ご丁寧にライターまで入ってある

ゆきあつ「これに賭けるしかない…」

しかしタイミングが難しい
花火に火がつき光を放つ時間はごくわずかだ
気づいてもらえなかったら…
マイナス思考になるのはやめよう
今はみんなを信じるしかない


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:36:51.65 ID:pCZoUTOk0


「ゆきあつーーーーーー!!どこにいるのーーー!?」

声がどんどんこちらに近づいてくるのが聞こえた

ゆきあつ(今だ…!!)

花火に火をつけた

しばらくしてシューーーーーーーという音をたて光があたりの闇を散らしていく

これで見つけてくれるだろうか
もしもこれで見つからなかったら本当に終わりだ

しかしその心配はすぐに打ち砕かれた

「なーにこのひかりー? きれー…ってあっーーーー!!」

上から声が聞こえた
花火の光が映し出したのは
透き通ったような笑顔
僕の心をいつも照らしてくれた笑顔



めんま「ゆきあつ みっけぇ!」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:40:19.88 ID:pCZoUTOk0


めんまだった

じんたん「マジか!? おーいみんな!!ゆきあついたってよー!!」

目から涙がでた

じんたん「みんな俺の脚持ってくれ!俺が引き上げる!」

じんたんの手が自分に近づく
じんたん「しっかりつかまれよ!!」

言葉が出なかった
ただただ涙だけがこの思いを伝えてくれた

あなる「ごめんね 気づかなくて…」

ゆきあつ「いやいいんだ…おれがドジ踏んだだけだし…」

掠れた声で伝える

めんま「ゆきあつへんなこえーーー!!」

いつものような笑顔でめんまが笑う


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:44:30.30 ID:pCZoUTOk0


じんたん「よし超平和バスターズ全員集合!!」

めんま「はやく上いこっ!!すっごいきれいなんだよ!!」

めんまに手を引かれながら頂上に向かう
とても幸せな気分だ

めんま「ほらー!!見てー!!すっごいきれーでしょ!?」

この目に広がるのは街色の光
いままでみたどんな景色よりも輝いて見えた

ゆきあつ「ああ…ものすごく…きれいだ…」

ぽっぽ「あぁーッ!!ゆきあつ泣いてるーーーー!!」

つるこ「ちょっとは空気を読みなさいよ…」

ゆきあつ「ぷっ… あはははははっ!」

おもわず笑いが出る
安堵感からか笑いがとまらない

めんま「ゆきあつ笑いながら泣いてるー 変なのー!!」

「盛り上がってるところ悪いんだけど…」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:46:47.09 ID:pCZoUTOk0


後ろのほうの暗闇から妙に聞き覚えのある低い声が聞こえた

お巡り「ちょと君たちおじさんと一緒に交番までこようか…」

「えぇーーーーーーーーーーーーー!?」

お巡りの恰好をよくみるとあちらこちらが汚れている
相当探し回ったのだろう

もうみんな逃げようともしなかった
みんなとことん疲れていたのだろう

おとなしくお巡りについていって
親から死ぬほど怒られた
けどこの日みた景色も匂いも忘れないだろう
きっとずっといつまでも

しかしあの日この日常は壊れた


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:49:12.41 ID:pCZoUTOk0


「ジンタンはやっぱりめんまのこと好きなの?」


「誰 が こ ん な ブ ス ! ! 」


この一言の後だ
すべてが手からこぼれていた


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:52:36.21 ID:pCZoUTOk0


現在は女装したゆきあつと引きこもり気味になったじんたんが森の中で向き合っている
随分いろいろと変わってしまった

ゆきあつ「わらえよ…」

か細い声で言った

じんたん「え?」

ゆきあつ「笑えよ!!!どうせ気持ち悪い女装男だって思ってんだろ!!人に頭に何か沸いたんじゃないかっていったくせに自分がこんなんだぜ!?」

みんなが何とも言えない表情でゆきあつをみてくる
それはそうだろう
こんな性癖を明かされれば普通はそうなる


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:55:23.74 ID:pCZoUTOk0


じんたん「わらわねぇよ」

ゆきあつ「あ゛?」

じんたん「わらわねぇよ 絶対に…」

ゆきあつ「なんだと…? 」

なぜだか頭にきた

ゆきあつ「そうやってまた上からみてるつもりか!?いつまでもリーダー気分に浸ってるつもりだ!?あ゛?いいか?もうお前がリーダーだった時代はおわっt…」

じんたん「だってよ!!」

ゆきあつとは対照的に力強い声でじんたんは言った


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/10(火) 23:58:26.54 ID:pCZoUTOk0


じんたん「…お前はそこまでするほどめんまが好きってことだろ?」

ゆきあつ「あ?」

じんたん「俺だってなんの幻かわからんけどめんまが見えるようになっちまったし…」

ゆきあつ「・・・」

じんたん「表現の形っつーか 媒体が違うだけっつーか… えーっと…なんていうかわかんねぇけどよ…」

じんたん「めんまを好きだってことは伝わったよ」

じんたんの手がゆきあつに伸びる

じんたん「だからさ…帰ろうぜ 秘密基地に… 超平和バスターズの秘密基地にさ」

ゆきあつ「・・・あぁ」

素直にじんたんの手に導かれてゆきあつは立ち上がった
あの日、崖に落ちたあの日のようだ
といっても恰好は白いワンピース 手にはかつら
とてもあの日とは似ても似つかない

それでも心は変わっていない


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:04:24.00 ID:bG9ynLrZ0


ぽっぽ「改めて超平和バスターズ全員集合だな!!」

ゆきあつ「ああ… そうだな」

実はみんなこうなることを心から願っていたのかもしれない
あの日 すべてが手からこぼれていったものがこの手に戻ってくる
皆でバカやったことも めんまとのことも
すべてが大切な思い出だ

ぽっぽ「じゃあよ再結成を記念して明日はパーリーしようぜ!!パーリー!!」

じんたん「そうだな この前のBBQもなんやかんやでしらけちまったし」

あなる「じゃあ私ケーキ焼いてくる!!」

ぽっぽ「うっひょー あなるのケーキィ!!」

あなる「そのあだ名やめてっていってるでしょ!!!!!」

じんたん「よかったな… めんま」

小さな声でじんたんが話しかける

じんたん「だから…その…なんだ…えー……泣くなよ…」

めんま「だって… みんながまた仲良しさんになったのが…めんまぁ…うれしくて…」

嗚咽混じりの声でめんまがつぶやいた


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:05:06.92 ID:bG9ynLrZ0


めんま「めんま…やっぱりみんなといっしょがいいや」

じんたん「あぁ そうだな… なんだかんだで俺もこいつらと一緒が一番楽しい」

心の底からそう思った

めんま「うん…だから…」

じんたん「だから…なんだ?」

めんま「ううん…なんでもない…」

ぽっぽ「じゃあ明日の夜8時ここに集合だ!遅刻すんなよ!」

じんたん「ああ」

あなる「うん!」

つるこ「しかたないわね」

ゆきあつ「わかった… お前の方こそ遅刻すんなよ」

みんな心なしか顔がにやけていた


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:07:01.31 ID:pCZoUTOk0


翌日夜8時

みんな時間通りに集まった

ぽっぽ「よっしゃー!! パーリナイのはじまりだー!!」

ぽっぽの威勢のいい掛け声とともに超平和バスターズの再結成記念会は幕を開けた

ぽっぽ「さっそくケーキ入刀!!」

といっても切り分けたのはつるこだ

ゆきあつ「ホントに何もかわってねーな…」

あなる「だいぶあんたの性癖はかわったけどね…」

ゆきあつ「うるせぇ!」

つるこ「あんながたいして女装とかもはやギャグよね」

そういってあなるとつるこは笑った

じんたん「ホントに懐かしいな… こういうの」

ゆきあつ「ああ…そうだな」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:09:27.28 ID:bG9ynLrZ0


じんたん「あのころはバカやってただただ山ん中走って それだけで楽しかったよな」

ゆきあつ「いまでもバカには違いねぇよ」

じんたん「まっ そうだな」

そういうとゆきあつとじんたんも笑った

ぽっぽ「よっしゃー 今日は俺のとっておきをだすぜー!」

そういうとぽっぽは秘密基地の裏からクーラーボックスを取り出した

ぽっぽ「じゃーん!!」

そこには見たこともないきれいな液体が入ったビンが冷やされていた

あなる「なにこれ?」

ぽっぽ「いいからのんでみろって!」

あなる「じゃあいただきます…」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:12:23.25 ID:bG9ynLrZ0


じんたん「あなる…正気か?気は確かか?」

あなる「だからそのあだ名はやめてって言ってるでしょ!!女は度胸よ!度胸!」

ゴクッ ゴクッ

あなる「なにこれ!?お酒?」

じんたん「そうだろうと思った」

ぽっぽ「タイのナコンパトムっつー酒だ!タイではポピュラーな酒なんだぜ!」

あなる「へぇ… でも… 嫌いじゃないかも…」

ぽっぽ「おお!あなるはなかなかいける口か!?」

じんたん「俺らまだ未成年だろ…いいのかよ」

ゆきあつ「まっ 今日くらいいいんじゃね?」

ゆきあつもナコンパトムに手を伸ばした


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:15:16.56 ID:bG9ynLrZ0


じんたん「お前も飲むのかよ!?」

ゆきあつ「これで退学なったらお前のせいだぞ!ぽっぽ!」

ぽっぽ「おれかよー!! まっ退学になったら一緒に世界各国を旅しようぜ!!」

ゆきあつ「お前とだけは遠慮しとくわ…」

ぽっぽ「ええ?マジ?」

秘密基地からみんなの笑い声がもれる
こんなこといつぶりだろう

じんたん「ホント… かわらねーよ…」

つるこ「そうね… みんな…っていってもめんまはいないけど…」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:17:32.24 ID:bG9ynLrZ0


じんたん「いや… いるよ」

じんたん「みんなの心ん中に生きてんなら… それはいるってことと同じじゃねーか…?」

つるこ「…そうね でも素面でそのセリフ言えんのってなかなかね それとも酔ってる?」

じんたん「うるせー!! ほっとけ!」

つるこ「はいはい」

そういってつるこはにやけながらナコンパトムを飲みに行った

めんま「ねぇ… じんたん?」

じんたん「あぁ? なんだ?」

小さな声で話しかける


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:20:31.82 ID:bG9ynLrZ0


めんま「めんまね… ずっとみんなと一緒がいいの…」

じんたん「ああ…そうだな… 」

めんま「だからね… めんま思いついたの」

じんたん「なにをだ?」

めんまはおもむろにあなるのケーキのほうに近づいた

なにかを手にしこっちに近づいてくる

めんま「みんな…」

「めんまと同じになっちゃえばいいんじゃないかなって?」


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:22:45.85 ID:bG9ynLrZ0


じんたん「は? 何言って…」

気づいた時にはもう遅かった
じんたんの下腹部にはケーキを切り分けるときに使った包丁が突き刺さっていた

じんたん「な… めん…ま?」

めんまはじんたんの下腹部から包丁を抜き取った

じんたん「め…んま… やめろ… やめてくれ…」

朦朧とする意識の中で確かにめんまは




嗤っていた


108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:24:55.27 ID:bG9ynLrZ0


あなる「じんたん?」

ナコンパトムを飲み少し顔を赤くしたあなるがじんたんの異変に気付く

あなる「じんたーん?寝ちゃったの?…て血?」

ザクッ 

あなる「!?」

痛覚が悲鳴を上げる前に驚きの方が先に脳にたどりついた
包丁が宙を浮いて自分の腹に突き刺さったのだ
いったいなにが起こったのか脳が処理できない

あなる「なにがおきて… え? なに? なんで…私…のおなかに包丁が刺さっ…てる…の?」

バタンッ


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:26:09.96 ID:bG9ynLrZ0


つるこ「キャァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

さすがにみんなこの奇怪で猟奇的な状況を頭ではなく脊髄で理解した

ぽっぽ「なんだよこれ…なんだよこれ!?」

ゆきあつ「なにがどうなってんだ…!?」

つるこは気を失ってしまった

かっこうの餌食となったつるこめがけて包丁は飛んできた

ぽっぽ「うぐぅ…!」

その包丁をぽっぽが受け止める


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:28:11.04 ID:bG9ynLrZ0


ぽっぽ「早くにげろゆきあつ!!!!!」

その包丁はぽっぽの腹から抜かれさらに深く突き刺さった

ぽっぽ「うぐっ!?」

ゆきあつ「ぽっぽぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

ぽっぽ「はやくいけっつっ…てん…だぁ…!」

ゆきあつ「あっ… あぁ… あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

もう走るしかなかった
目が慣れていないせいか山道は果てしなく暗かった
それでも走った
走って逃げなければ殺される 
今この足を動かしているのはあの日とは違う恐怖心


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:30:26.67 ID:bG9ynLrZ0


ゆきあつ「うわぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!」

奇声をあげながら走るゆきあつを誰もが怪訝な目で見ていた
しかし今はそんなこと関係ない 止まったら終わりだと思った
ただただ家まで全速力で走った

玄関を開け階段を急いで駆けのぼり鍵を閉めカーテンをすべて締め切った
そしてベッドにもぐりこみ

「これは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だ夢だぁぁぁぁぁぁぁ…!!」

呪文のように繰り返し繰り返しつぶやいた
そして必死に目を閉じるがまったく眠れない
それどころか心臓を突き破るのかと思うくらい拍動が止まらない
そしていつのまにか朝になった
少しは鼓動は収まったがいまだに心臓は強く拍動している
部屋の扉を母親が叩いて学校に行けと言ってくる


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:33:24.87 ID:bG9ynLrZ0


「今日はちょっと具合が悪いから休ませてくれ…」

そういうと親は少し不満げな声を漏らし引き下がった
しかし具合が悪いのは本当だ
今でもはきそうなくらいだ

家族が全員が家をでたのを音で確認してからリビングに行く
ここはいつもと変わらない何の変哲もないいつものリビングだ
ほんとに昨日の夜のことは夢なんじゃないかと思った
そしてなんとなくテレビをつけた

『今日未明 山の中で男女あわせて4名が刺殺体で発見されました』

アナウンサーは確かに そしてむかつくぐらいに淡々と言葉を口にした

『被害者は宿海仁太さん16歳 安城鳴子さん16歳 久川鉄道さん16歳 鶴見知利子さん16歳 とのことです』
『なお 凶器は見つかっているものの犯人は特定できておらず 現在も調査中です』

やはり夢じゃなかったのだ
改めてゆきあつは戦慄し恐怖した


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:36:20.22 ID:bG9ynLrZ0


「う゛っ…う゛ぇぇ…」

おもわずはいてしまった
もういっそのことすべてを吐き出したかった
さっきあったこともすべて

ピンポーン

「!?」

不意に家のチャイムがなった
もしかするとあの包丁が自分を殺しに来たのかもしれない

ピンポーン

少し間を開けてまたチャイムが鳴った

(絶対にでるもんか…)

「すいませーん松雪さーん?松雪集さーん?いないんですかー?」

しかし意外にもそこから聞こえたのはどすのきいた男の声だ
おそるおそるドアスコープを覗きこむと中年の警察官らしき男がたっていた
あの得体のしれない包丁じゃないことに安堵してゆきあつはドアを開けた

そのあと警察に連れて行かれいろいろと事情聴取されたが何を話したかは覚えていない
一時は犯人じゃないかと疑われたが証拠不十分で結局事件は迷宮入りとなった


115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:38:44.66 ID:bG9ynLrZ0


ミンミンミンミンミンミンミンミンミンミーン

あれから一年の月日がたった


いつからだろうこの家の中という檻に入ったのは
といってもこの檻を選んだのは自分だ

外からは相変わらずうるさく泣き続けているセミの声が響いている
あの頃から少しも変わらない

がやはり子供の頃とまったく同じだとは思えない

思い出がそうさせるのか、自分がそうさせたのかはわからない
もう戻れないし、戻る気もさらさらないが
今でもあの少女の姿が僕の脳裏から消えないのだ

「めんま・・・」


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:39:31.14 ID:bG9ynLrZ0


その名を呼ぶと締め切っていたカーテンがわずかに揺れた
ふとその方向をみると白いワンピース 透き通るような肌 クラスでも一番長くきれいな髪
あの時と違うのはその手に包丁を携えていたことだけだった 血で真っ赤に染められた包丁を
そしてあの日と寸分も変わらない笑顔でしっかりとその少女は嗤っていた
そして確かにはっきりと言った




「ゆきあつ みっけぇ!!」


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:41:13.59 ID:bG9ynLrZ0


以上です

自己満で書いた稚拙な文章ご閲覧してくれた皆様ありがとうございました
僕が何を伝えたいかというと平沢唯は俺の嫁ということです。


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 00:46:59.02 ID:kzPXi52+0


乙。ドキッとしたわ


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/11(水) 01:03:00.53 ID:B032jqBN0


こんなことになるとは…
序盤と後半の落差がよかったー乙ー



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