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執事「なーんだ??」

このエントリーをはてなブックマークに追加 コメント (0) | カテゴリ: その他 | 更新日: 2011/09/03 22:30
5:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:17:15.26 ID:2I9sZ2Jo0


執事「なーんだ??」

少女「…わからないわ」

執事「降参ですか」

少女「…教えて」

執事「答えは、リンゴです」

少女「リンゴ」

執事「そう、リンゴでございます」

少女「リンゴね」


7:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:20:54.88 ID:2I9sZ2Jo0




執事「眼鏡」

少女「眼鏡…あなたが時々かけているそれね」

執事「胡瓜」

少女「…河童の好きなあれね」

執事「弓」

少女「…びゅーん、のやつね」

執事「共通点は、なーんだ??」

少女「…」


9:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:24:38.81 ID:2I9sZ2Jo0


執事「降参ですか」

少女「ちょっと待って」

執事「では少しだけ」

少女「共通点、共通点…」

少女「文字に関するもの??」

執事「いいえ」

少女「英語に直すとか」

執事「その必要はありません」

少女「…」


10:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:28:20.61 ID:2I9sZ2Jo0


執事「降参ですか」

少女「…うん」

執事「答えは、つるです」

少女「…鶴」

執事「たぶんお嬢様が想像しているものとは違います」

執事「鳥の方を想像しておられるでしょう」

少女「クエーッって言う方ね」

執事「言いません」

少女「言う方じゃないの」

執事「鶴も言いません」


11:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:32:04.41 ID:2I9sZ2Jo0


少女「鶴ってどうやって鳴くの」

執事「さあ…聞いたことはありませんねえ」

執事「しかし『鶴の一声』と言いますから、威嚇音みたいなものでしょうか」

少女「ドルルン、ドルルン」

執事「おそらく違います」

少女「パラリラ、パラリラ~」

執事「そちらの方が近いかと」

少女「またひとつ賢くなったわ」


12:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:36:33.44 ID:2I9sZ2Jo0


少女「で、つるってなに」

執事「眼鏡の、ここです」キュッ

少女「ふうん」

執事「胡瓜にもつるが」

少女「ああ、そうね」

執事「弓にもつるがあります」

少女「…」

少女「次!!」

執事「はい」


13:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:41:11.26 ID:2I9sZ2Jo0


少女「もっと簡単なの!!」

執事「では」

執事「ガラスのコップ、ありますよね」

少女「キラキラした透明のやつね」

執事「そうです」

執事「ガラスのコップに入れることはできるのに、取り出せないもの、なーんだ??」

少女「…」

執事「ゆっくり考えてください」


14:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:44:12.71 ID:2I9sZ2Jo0


少女「…氷」

執事「氷、取り出せます」

少女「接着剤!!」

執事「接着剤を溶かす薬もありますよ」

少女「…」シュン

執事「降参ですね??」

少女「…」


15:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:50:30.41 ID:2I9sZ2Jo0


執事「答えは、ヒビです」

少女「…??」

少女「!!」パァァァ

執事「ガラスに入ったヒビは、決して取り出せません」

少女「そうね!!」

執事「人と人との間に入ったヒビも、取り出せないことがあります」

少女「??」

執事「お嬢様には関係ない話でしたね」

少女「難しい話はよくわからないわ」


16:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:53:48.69 ID:2I9sZ2Jo0


執事「もうこんな時間でしたか」

少女「時間なんて関係ないじゃない」

執事「そういうわけにはいきませんので」

少女「もう、けちんぼ」

執事「なんとでもおっしゃってください」

執事「夕食のご用意ができましたら、お呼びします」

少女「うん」

執事「本でもお読みになって、お待ちを」


17:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 17:57:17.98 ID:2I9sZ2Jo0


少女「本なんか、つまんない」

少女「謎謎をしてくれるときが一番楽しいのに」

少女「ちょっと散歩でもしようかしら」

少女「怒られるかしら」

少女「…」

少女「ちょっとだけ、ちょっとだけね」

コソコソ


18:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:00:41.67 ID:2I9sZ2Jo0


執事「お嬢様、夕食の準備ができました」

少女「ね、これ、なーんだ??」ワクワク

執事「これは…」

執事「お嬢様、また外に出ましたね」

少女「まだそんなに暗くないじゃない」

執事「いけないものはいけません」

少女「もー」

執事「ちなみにそれは、カブトムシですね。図鑑で見たことがあるでしょう??」

少女「違うわ」

執事「え??」


19:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:04:34.59 ID:2I9sZ2Jo0


執事「でもそれは…」

少女「これは私があなたより先に見つけたの!!だから名前は私がつけるの!!」

執事「はあ…では名前はなんと」

少女「『カブトキング』よ!!」

執事「はあ…カブトキング」

少女「そうよ、覚えておきなさい♪」

執事「…」

執事「お嬢様、時にこれは、なーんだ??」

少女「リンゴね」

執事「違います。今日からこれは『悪魔の果実』という名前にします」


20:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:09:42.14 ID:2I9sZ2Jo0


少女「…」

執事「これは、なーんだ??」

少女「…眼鏡」

執事「違います。今日からこれは『真実を見通す目』という名前にします」

少女「…」

執事「では、これは」

少女「ごめんなさい」

執事「今なんと」

少女「ごめんなさい」


22:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:13:16.14 ID:2I9sZ2Jo0


執事「わかったら、もう勝手に外に出てはいけません」

少女「はあい」

執事「では、夕食にしましょう。冷めてしまいます」

少女「今日はなあに」

執事「パンとスクランブルエッグ、ビーフシチューです」

少女「あら、今日はビーフもあるのね♪」

執事「そろそろ少なくなってきたんですけれどね」

少女「ハナコが??」

執事「ええ、ハナコが」


23:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:20:10.27 ID:2I9sZ2Jo0


少女「そう…でもずいぶん持ってくれたわね」

執事「次は順番的にツヨシですね」

少女「そうね」

執事「さあ、いただきましょう」

少女「はい、いただきます」

カチャカチャ

執事「いかがですか」

少女「うん、おいしいわ」

執事「垂れております」

フキフキ

少女「んん」


24:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:24:51.77 ID:2I9sZ2Jo0


少女「ねえ、食べながら謎謎して??」

執事「ええ」

少女「♪」ワクワク

執事「食事中にお喋りをしようと持ちかけてくる下品な女性は、なーんだ??」

少女「…」

執事「…」

少女「けちんぼ」

執事「外れでございます」


25:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:28:41.38 ID:2I9sZ2Jo0


少女「食事が終わったら、寝るまでずっと謎謎だからね」

執事「ええ」

少女「絶対ね!!」

執事「ええ」

少女「もぐもぐ」

執事「急いで食べると体に悪いです」

少女「もいもい」

執事「口に含んだら喋らない」

少女「…」

執事「噛んだら早く呑み込んでください」


27:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:36:02.02 ID:2I9sZ2Jo0


カチャン

少女「さ、やりましょーう」

執事「片付けがまだでございます」

少女「ああ、もう」

執事「お部屋でお待ちください」

少女「もう」

執事「すぐに向かいますので」

少女「首を洗って待ってるからねー」

執事「洗わなくていいです。長くしてお待ちください」

少女「…ロープとかで引っ張ればいい??」

執事「あ、すみません。今のは忘れてください、完全に」


28:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 18:48:01.67 ID:2I9sZ2Jo0


ガチャ

少女「遅ーい」

執事「すみません、コーヒーの準備と、お祈りに手間取りまして」

少女「もう」

執事「では」

少女「うん」

執事「軍隊の少尉と大尉が軍用ジープで走っていました」

執事「すると突然、崖から落ちて2人とも死んでしまいました。なーぜだ??」


32:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:16:50.18 ID:2I9sZ2Jo0


少女「ううん…」

執事「どうです??」

少女「『なーんだ??』じゃあないのは久しぶりね」

執事「たまには趣向を凝らしまして」

少女「うん、降参」

執事「答えは、注意不足です」

少女「おおお」

執事「お嬢様も肩に注意が足りていないようで」

フワッ

少女「あ」

執事「その毛布をお掛けになってください」


33:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:23:06.87 ID:2I9sZ2Jo0


少女「気障ねえ」

執事「なんとでも」

少女「さあ、次よ次」

執事「まあ、コーヒーで一服しましょう」

少女「飲みながら!!」

執事「はいはい。まったく困ったお嬢様だ」

コポコポ

執事「3人の男がコーヒーを1杯ずつ飲みました」

執事「砂糖は3人で計14個入れました」

執事「3人ともカップには『奇数』の砂糖を入れました」

執事「どうやったでしょう??」


34:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:27:49.57 ID:2I9sZ2Jo0


少女「え、算数の問題??」

執事「そうかもしれませんね」

少女「算数嫌い」

執事「好き嫌いはよくありません」

少女「私はいつも3個だから…これって奇数だよね??」

執事「奇数ですね。あとの2人で残り11個です」

少女「5個と6個…」

執事「6個は偶数ですね」

少女「ああもう!!じゃあ無理!!」


35:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:31:15.30 ID:2I9sZ2Jo0


執事「正解は1個、1個、12個です」

少女「へえ」

執事「…」

少女「え、12個って奇数なの??」

執事「数の定義では偶数ですが、コーヒー1杯に12個も入れるなんて」

執事「非常に奇なる数と言えますね」

少女「…ほほう」

執事「わかりましたか??」

少女「なんとなく!!」


38:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:38:27.35 ID:2I9sZ2Jo0


執事「そろそろ寝る準備をしませんか」

少女「まだ眠くない」

執事「では次の問題が終わったら寝る準備を」

少女「はあい」

サラサラ

執事「これを読んでみてください」

少女「ま、み、ぱ、む、め、も」

執事「これ、なーんだ??」

少女「え、暗号かしら」


40:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:43:20.73 ID:2I9sZ2Jo0


少女「まみむめも」

執事「違います」

少女「ぱ、ぱ、ぱ…」

少女「パパ??」

執事「違います」

少女「わかんない」


41:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:46:16.90 ID:2I9sZ2Jo0


執事「では、こちらにお着替えください」

少女「まだ問題終わってないもん!!」

執事「ですから、これが答えでございます」

少女「パジャマ…」

執事「ええ」

少女「!!」パァァァ

執事「はい、ばんざーい」

少女「んんー」


42:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:50:12.60 ID:2I9sZ2Jo0


少女「寝る前に、最後の謎謎して??」

執事「ふぅ…最後ですよ??」

少女「はあい」

執事「ベッドに入って聞いてくださいね」

少女「はあい」

執事「ちなみにお嬢様の1日の最高正解数は」

少女「4回!!」

執事「最後の問題で正解すればそれに追いつきます」

少女「ほんとに!!」

執事「頑張ってください」

少女「はあい♪」


44:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:55:07.43 ID:2I9sZ2Jo0


執事「天地がひっくり返ると、とても偉くなる動物、なーんだ??」

少女「うーん」

執事「ヒント、英語が関係ありますよ」

少女「英語ね!!算数よりは得意だわ」

執事「結構でございます。得意意識は大事でございます」

少女「偉い…王…KING??」

執事「いい線でございます」

少女「神!!GOD!!」

執事「はい、ということは??」


46:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 19:59:02.93 ID:2I9sZ2Jo0


少女「GOD!!」

執事「お嬢様、神様を動物だとおっしゃられるので??」

少女「あ、そうか」

執事「天地がひっくり返ると、ですから」

少女「G・O・Dだから…」

少女「DOG!!犬ね」

執事「正解でございます」

少女「やった♪」

執事「お嬢様はどんどん賢くなられますね」

少女「そうかしら。あなたのおかげよ」

執事「ありがとうございます」


47:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:03:59.70 ID:2I9sZ2Jo0


執事「それよりも、パジャマの裾がひっくり返っておられますよ」

少女「あ、ごめんなさい」

執事「お腹を冷やしますよ」

少女「はあい」

執事「では、おやすみなさいませ」

少女「あ、4問正解のご褒美は!!」

執事「ああ、そうですね。なにがよろしいですか??」

少女「寝る前にぎゅってして」

執事「それで、よろしいのですか」

少女「うん」


48:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:10:06.08 ID:2I9sZ2Jo0


執事「ふぅ」

少女「早く早く」

執事「では、おやすみなさいませ」ギュ

少女「うん、おやすみー」ギュ

執事「…」

少女「…」

執事「まだでございますか」

少女「もう少し」


49:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:13:42.75 ID:2I9sZ2Jo0


執事「では、おやすみなさいませ」

少女「明日も、楽しみにしてるからねー」

執事「はいはい」

少女「じゃねーおやすみ♪」

バタン

執事「ふぅ…やれやれw」

少女「うふふw」

執事「さて、私も寝ましょう」

少女「ぬくぬく」


50:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:21:40.31 ID:2I9sZ2Jo0


―次の日―

執事「おはようございます、お嬢様」

少女「おはよう!!」

執事「なんだか元気でございますね」

少女「ええ、今日はなんだか調子がいいみたいだわ」

執事「結構でございますね」

執事「朝食の前に、お着替えと洗面を」

少女「はあい」


51:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:26:34.87 ID:2I9sZ2Jo0


執事「あ、お嬢様」

少女「なあに??」

執事「毎日とかしてもとかしても減らないものはなーんだ??」

少女「…」

少女「そんなアイスがあったら素敵ねえ」

執事「違います」

少女「髪の毛!!」

執事「おや、今日は朝から冴えてますね」

少女「えへへ」

執事「洗面と一緒に、その寝癖も」

少女「なおしてくるー」ゴシゴシ


53:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:31:05.01 ID:2I9sZ2Jo0


ガチャーン

執事「ああ、今の音はまさか」

少女「いたーい」

執事「お嬢様、どうされました」

少女「手切ったー」

執事「ああ、ガラスが」

少女「いたいー」

執事「なめておいてください。すぐに救急箱を」

少女「うう」グス


55:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:35:16.93 ID:2I9sZ2Jo0


執事「気をつけてくださいね」

少女「いたい」チュウチュウ

執事「傷口をそんなに吸わないでください」

執事「ほら、見せて」

少女「う」

執事「吸っても吸ってもなくならないもの、なーんだ??」

少女「…血!!」

執事「では、すったらすぐなくなるもの、なーんだ??」

少女「??」

執事「答えは、マッチでございます」

少女「ほー」

執事「あとお金でも正解です」

少女「ほー」


57:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:40:04.77 ID:2I9sZ2Jo0


執事「と、言っている間に治療完了です」

少女「あれ、そういえば消毒いたくなかったよ」

執事「魔法です」

少女「魔法!!すごい」

執事「私、魔法使いですから」

少女「そうなの??知らなかった」

執事「人に言ってはいけませんよ。内緒ですから」

少女「内緒ね!!言わない!!」


58:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:44:39.25 ID:2I9sZ2Jo0


執事「先に朝食をどうぞ」

少女「あなたは??」

執事「私はここを掃除してから行きますので」

少女「あ、手伝うわ。私が割ったんだし」

執事「危ないですよ」

少女「ガラスを割って人に片付けさせる人、なーんだ??」

執事「え…それは」

少女「答えは人でなし!!」

執事「はあ…」

少女「いいからいいから」


59:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:51:11.74 ID:2I9sZ2Jo0


カチャカチャ

執事「何をしようとして鏡なんか割ってしまったのですか」

少女「手にコップを持ってたのね」

執事「はい」

少女「で、鏡にハエが止まったのね」

執事「はい」

少女「で、その…くらっしゅ!!」

執事「クラッシュしたのですね」

少女「うん…」

執事「ケガが小さくてよかったです」

少女「ごめんね」


60:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 20:54:39.32 ID:2I9sZ2Jo0


執事「ところで、割っても割っても粉々にならないもの、なーんだ??」

少女「え??」

執事「謎謎です」

少女「うーん、砂??」

執事「面白いですね」

少女「違うの??」

執事「正解は、数字でございます」

少女「あ、そっか」

少女「すごい!!」


63:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:04:10.69 ID:2I9sZ2Jo0


執事「今日も少し牧場の方に行きますが…」

執事「ご一緒に行かれますか??」

少女「え!!いいの!?」

執事「ええ。気分転換に」

少女「やった!!行く!!行くう!!」

執事「そのかわり、勝手に私から離れてはいけませんよ」

少女「はあい」

執事「朝食を多めに作ってありますから、お弁当にしておきましょう」

少女「やったー!!」


64:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:10:41.88 ID:2I9sZ2Jo0


執事「さて、では朝食を」

少女「そうね」

執事「今日はクロワッサンを焼いてみました」

少女「おいしそう!!」

執事「もっともっとレパートリーを増やしたいものですが…」

少女「何言ってるの、十分よ」

執事「恐縮でございます」

少女「こんな世の中に、立派なパンが食べられるなんて幸せよう」


66:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:15:09.64 ID:2I9sZ2Jo0


執事「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ??」

少女「古いパン!!」

執事「違います」

少女「私が焼いたパン!!」

執事「違います」

少女「フランスパン!!」

執事「よく知ってますね」

少女「本で読んだの!!固いパンだって」

執事「でも違います」

執事「正解はフライパンです」

少女「あ、ああ…なるほど」


68:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:19:04.91 ID:2I9sZ2Jo0


カチャカチャ

執事「さて、それでは牧場の方へ行ってみましょうか」

少女「ええ!!」ニコニコ

執事「嬉しそうですね」

少女「もちろん♪」

執事「ではこの安全帽をかぶってくださいね」

少女「これ重くって嫌い」

執事「そうおっしゃらずに」

少女「…わかったわよう」


69:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:26:56.02 ID:2I9sZ2Jo0


執事「この安全靴も」

少女「これも可愛くないから嫌い」

執事「履かないと連れて行けませんよ」

少女「むう」

執事「ほらほら」

少女「歩くとき手繋いでくれたらちゃんと履く」

執事「ええ、手も繋いでいきましょう」

少女「じゃあ履く!!」


70:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:34:51.13 ID:2I9sZ2Jo0


執事「さあ、行きましょうか」

執事「今日はみんな元気でしょうかね」

少女「私は久しぶりだけど、あなたは昨日も見に行ったじゃない」

執事「牛や鶏は一日で大きく変わるんですよ」

少女「そうなの??」

執事「今日は牛たちの模様が水玉になっているかもしれませんね」

少女「本当に!?」

執事「嘘でございます」

少女「…」


71:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:39:25.57 ID:2I9sZ2Jo0


執事「でもお嬢様が前に見たときよりは大きくなっているかもしれません」

少女「そう??」

執事「ツヨシなどはもう立派に大きくなりましたよ」

少女「ツヨシに乗りたいなあ」

執事「うーん」

少女「ね、ダメ??」

執事「ツヨシが許してくれたらいいことにしましょう」

少女「やった♪」


72:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:45:53.04 ID:2I9sZ2Jo0


少女「それにしても、この道は歩きにくいわね」

執事「私しか通りませんからね」

執事「今度舗装してみましょうか」

少女「できるの??」

執事「もちろんロボットの手を借ります」

少女「そんな便利なロボットあったかしら」

執事「まあなんとかなるかと思います」

少女「あなたが気にしないのなら、別にかまわないのよ??」

執事「まあ、暇があればということで」

少女「そうね」


73:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:51:45.57 ID:2I9sZ2Jo0


ガサガサ

執事「!!」

少女「!!」

少女「今の…なに??」

執事「シッ」



少女「…」

執事「…」

ガサガサ


74:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 21:57:01.47 ID:2I9sZ2Jo0


少女「…行っちゃった??」

執事「ええ、あまり大きくはないと思いますが」

少女「なにかしら」

執事「猛獣かもしれません」

少女「ひい」

執事「牧場までは、もうしゃべらないことにしましょう」

少女「ええ」

執事「手を離してはいけませんよ」

少女「うん…」


75:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:01:23.21 ID:2I9sZ2Jo0


執事「ふう…なにも出ませんでしたね」

少女「うん…」

執事「もう一人で出かけるなんてこと、してはいけませんよ」

少女「絶対しない!!」

執事「約束ですよ」

少女「約束!!」

執事「じゃあ中に入りましょうか」

少女「うん!!」


76:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:06:11.49 ID:2I9sZ2Jo0


ウイーン ガシャン

ウイーン ガシャン

執事「ロボットは今日もよく働いてくれているようですね」

少女「たくさん…」

執事「ああ、前のときよりも増やしたんです」

少女「すごおい」

執事「ではこれに着替えましょう」

少女「はあい」

執事「菌を入れてしまっては、牛たちが病気になってしまうかもしれませんから」


77:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:09:52.31 ID:2I9sZ2Jo0


少女「ツヨシ♪ツヨシ♪」

執事「ふむ、体調は良さそうですね」

牛「もうーもうー」

少女「乗ってもいいかな??」

執事「聞いてみてください」

少女「ね、ツヨシ、背中に乗ってもいい??」

牛「ももーう」


80:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:14:39.70 ID:2I9sZ2Jo0


少女「なんて??」

執事「お嬢様ならいいそうですよ」

少女「あなたは??」

執事「重そうだから嫌、と言われました」

少女「あはは、残念ね」

執事「ええ」

少女「乗せて乗せて」

執事「はいはい。よ…っと」グイ

少女「やほー」

牛「もーう」


81:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:19:18.15 ID:2I9sZ2Jo0


執事「牧場の中なら安全でしょうから、私は少し他の所を見てきますね」

少女「はあい」

執事「じゃあ下ろしますよ」

少女「ええーもうちょっと」

執事「ツヨシが『早く降りろ』と言ってます」

少女「嘘!!今鳴いてなかったもん!!」

執事「心の声が聞こえました」

少女「私は聞こえなかったもん!!」

牛「もーう、もーう」

執事「ほら」

少女「うう…」


82:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:24:01.16 ID:2I9sZ2Jo0


執事「ではあちらの方へ行ってますので」

執事「あまり餌をやってはいけませんよ」

少女「ちょっとだけならいいの??」

執事「これだけなら」ファサ

少女「わかった」

執事「10分ほどで戻ります」

少女「はあい」


85:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:27:35.40 ID:2I9sZ2Jo0


少女「ツーヨシ♪ツーヨシ♪」

ロボット「…」ウイーン

少女「わ」

ロボ「…」ウイーン

少女「あ、ツヨシの餌!!」

ロボ「…」ウイーン

少女「私があげるのに!!」

ロボ「…」ウイーン

少女「もう!!ずるい!!」


86:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:34:34.58 ID:2I9sZ2Jo0


執事「おや、どうしました??」

少女「餌…ロボットに取られた」

執事「おやおや、お怪我はありませんか??」

少女「ロボットずるい!!」

執事「仕事ですからねえ」

執事「指示通りではあるのですが、やはり融通は利きませんねえ」

少女「ユウズウってなに??」

執事「優しさです」

少女「ロボットにはないの??」

執事「あまりありませんね」

少女「んんーもう」


87:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:38:59.34 ID:2I9sZ2Jo0


執事「お嬢様、乳搾りをやってみますか??」

少女「いいの??」

執事「ええ」

執事「ただしツヨシではありませんが」

少女「こっちの子??」

執事「ええ」

少女「この子、名前はなんだったかしら??」

執事「こちらの牛はリョウコですね」

少女「わかった」

少女「リョウコ、お乳だすわよー」


88:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:43:34.08 ID:2I9sZ2Jo0


少女「じゃあロボット来ないように見張っててね」

執事「かしこまりました」

少女「ふふふ」

ギュー チョロロロロ

少女「やたー♪いっぱい出る♪」

執事「ときにお嬢様」

少女「ん??」


89:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:53:23.77 ID:2I9sZ2Jo0


執事「ミルクが一瞬で固くなってしまいました。なーぜだ??」

少女「うーんと…」

執事「…」

少女「乳化剤!!」

執事「よく知っていますね、そんなもの」

少女「違うの??」

執事「ええ、謎謎ですから」

少女「じゃあ…」

少女「凍らせた!!」

執事「違います」


90:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 22:58:02.88 ID:2I9sZ2Jo0


少女「降参!!」

執事「正解は…」

少女「うんうん」

執事「逆から読んだ、です」

少女「??」

執事「ミルクを逆から読むと??」

少女「クルミ!!」

執事「クルミは??」

少女「固い!!ほんとだ!!」

執事「ふふふ」


91:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:02:17.97 ID:2I9sZ2Jo0


少女「いっぱい絞れたよ」

執事「本当ですね」

少女「うふふ」

執事「よく冷やして、明日飲みましょう」

少女「うん!!」

執事「さあ、卵をもらって帰りましょうか」

少女「え、もう??」

執事「今日は畑の方も見ておかなくてはいけませんから」

少女「大変ねえ」


93:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:12:37.59 ID:2I9sZ2Jo0


執事「あ、お肉も昨日使ってしまったので、補充しておきましょう」

少女「冷凍スペースに行くの??」

執事「ええ」

少女「じゃあ…待ってる」

執事「そうですか??」

少女「あそこ、寒くて苦手なんだもん」

執事「では…」

執事「優しい人が持っている武器ってなーんだ??」

少女「??」

執事「私が帰ってくるまでに考えておいてくださいね」


95:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:17:41.61 ID:2I9sZ2Jo0


少女「優しい人…」

少女「武器…」

少女「優しい人は武器なんて持たないわ」

少女「でもそれじゃ答えにならないし…」

少女「涙!!」

少女「は…女の人の武器だし」

少女「微笑みの爆弾!!」

少女「は…なんか違う気がする」


96:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:22:22.67 ID:2I9sZ2Jo0


執事「わかりましたか??」

少女「はやいわよ!!」

執事「では、ヒントが必要ですか??」

少女「うん」

執事「『ヤリ』です」

少女「ヤリ…」

執事「私も持っています」

少女「あなた、優しいもんね」

執事「ええ、それはもう」

少女「自分で言ってるw」


98:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:27:05.29 ID:2I9sZ2Jo0


少女「あ、わかった」

執事「ほう、言ってみてください」

少女「『重いヤリ』!!つまり『思いやり』ね!!」

執事「正解です!!素晴らしい」

少女「ヒントもらったからだけどね」

執事「いえいえ、素晴らしいです」

少女「思いやりは大事よね」

執事「ええ、お嬢様もちゃんと持っておられます」

少女「えへへ」


99:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:30:46.74 ID:2I9sZ2Jo0


少女「さあ、畑に行きましょう」

執事「そうですね」

少女「卵とお肉は??」

執事「こちらに」

少女「…オムレツが食べたいなあ」

執事「私は卵かけご飯が食べたくなりました」

少女「それもいいわね」

執事「では」

少女「ん」ヌギヌギ


100:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:34:15.16 ID:2I9sZ2Jo0


少女「この道も歩きにくいわねえ」

執事「舗装しておきましょう」

少女「暇なときでいいからね」

執事「はい」

ガサガサ

少女「!!」

執事「!!」

?「グルルル…」

少女「ひっ」

執事「お嬢様、私の後ろに」

少女「…」ガタガタ


103:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:41:17.69 ID:2I9sZ2Jo0


執事「大丈夫、獣は火を怖がります」

シュボ

ボボボボボボボボボ

?「!!」ビクッ

少女「それは??」

執事「護身用のバーナーです」

ガサガサ

少女「行っちゃった…」

執事「少しひやっとしましたね」


104:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:44:36.08 ID:2I9sZ2Jo0


少女「こ、怖かった…」

少女「あなた、冷静ねえ」

執事「それは、お嬢様をお守りする身で怖がっていてはいけませんから」

少女「頼もしい♪」

執事「ふう…しかし油断できませんね」

執事「昨日はこんなこと、なかったのですが」

少女「さっきのはなんだったの??」

執事「私も獣には詳しくありませんので…」

少女「でも…」

執事「でも??」

少女「…なんでもないわ」

執事「畑では、絶対に私から離れてはいけませんよ」


105:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:49:08.99 ID:2I9sZ2Jo0


少女「…」

執事「…」シャワシャワ

少女「手伝いましょうか??」

執事「いえいえ、結構ですよ」シャワシャワ

少女「大変じゃない??」

執事「ロボットの足りないところを水やりするだけですから、それほど苦では」シャワシャワ

少女「そう」

執事「足元に気を付けてくださいね」シャワシャワ

少女「はあい」


108:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:54:21.59 ID:2I9sZ2Jo0


少女「ねえ、あれはなに??」

執事「あれ??」

少女「あの、空の、きれいなの」

執事「え…」

少女「きれい…」

執事「そう…ですね…」

執事「きれいですね…」

少女「どこかで見たような気もするのだけれど…」

執事「私は、初めて見ましたよ??」

少女「うーん」


109:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/04(土) 23:58:15.12 ID:2I9sZ2Jo0


執事「お嬢様、お昼を食べたら帰りますよ」

少女「うん」

執事「ここなら周りが見渡せますから、安心ですし」

少女「そういえばお腹、すいたかも」

執事「紅茶も用意してあります」

少女「あ!!ずるい!!」

執事「もちろんお嬢様の分も」

少女「やた!!」


111:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:03:07.75 ID:bn6pT/5H0


少女「あの空の、きれいな模様はなんていうの??」

執事「私は…存じません」

執事「初めて見ました」

少女「じゃあ、名前付けよ」

執事「どんな名前にしますか??」

少女「んー」

少女「思いつかない」

執事「はは、ゆっくり考えてください」


113:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:08:42.19 ID:bn6pT/5H0


少女「せっかくだから、海の見える丘まで行ってみたいわ」

執事「ダメです」

少女「どうして??」

執事「前にも説明しましたが、あそこには大きな穴が開いているのです」

少女「そうだったかしら」

執事「ですから近づいてはいけません」

少女「そう言われると見たくなるなあ」

執事「万が一お嬢様が落ちては大変ですから」

少女「むう」


116:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:12:52.24 ID:bn6pT/5H0


執事「さて、帰りましょうか」

少女「そうね」

執事「忘れ物はないですね」

少女「うん」

少女「帰りながら、謎謎しましょうよ」

執事「そうしたいところなんですが…」

少女「あ、また獣がいたら、まずいか」

執事「ご理解が早くて助かります」

少女「我慢する」

執事「ええ」


118:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:19:08.14 ID:bn6pT/5H0


執事「ふう、無事に屋敷につきましたね」

少女「そうね」

執事「これからは少し防備を強化しておきましょう」

少女「…??」

執事「転ばぬ先の杖、です」

少女「??」

執事「お嬢様には少し難しかったですね」

少女「…そうね??」


120:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:23:17.72 ID:bn6pT/5H0


執事「では、今日はどうしましょうか」

少女「本を読んでほしいわ」

執事「かしこまりました」

少女「お茶も飲みながら!!」

執事「はい」

執事「ではお部屋でお待ちください」

少女「はあい」


122:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:27:05.66 ID:bn6pT/5H0


ガチャ

執事「おや、姿勢が悪いですね」

少女「待ちくたびれたー」

執事「手ではかけないのに、お尻でかけるもの、なーんだ??」

少女「…」

少女「尻字??」

執事「そんな言葉をどこで…」

少女「あなたの本で」

執事「ああ…」

少女「違うの??」

執事「違います」


123:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:31:06.36 ID:bn6pT/5H0


執事「正解は、椅子でございます」

少女「なるほど!!」

執事「さて、今日はどれにしましょうか」

執事「これにしましょう」

少女「なあに??」

執事「昔々、あるところに一人ぼっちのお姫様がおりました」

少女「ふんふん」

執事「お姫様が望むものは魔法使いが魔法で出してくれました」

執事「しかし、友だちや家族は、魔法で出してはくれませんでした」

少女「…」


126:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:35:42.38 ID:bn6pT/5H0




執事「こうして、お姫様はほんの一瞬だけ、友だちと、家族とを手に入れることができたのです」

少女「ふぅぅ…」グス

執事「と、言うお話でした」

少女「…悲しい」グス

執事「お嬢様は、けして一人ぼっちにはさせませんからね」

少女「あなたが居なくなったら、私、生きていけないわ」グス

執事「このお姫様のようには、しませんからね」ニコ

少女「うん!!」


127:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:41:44.94 ID:bn6pT/5H0


執事「お嬢様は、友だちがほしいですか??」

少女「いらない、あなたがいるもの」

執事「では家族がほしいですか??」

少女「…」

少女「いらない、あなたがいるもの」

執事「そうですか…」

少女「だから、あなたは、いなくなっちゃ、ダメよ」

執事「かしこまりました」

少女「絶対よ!!」

執事「はい、わかっておりますとも」


129:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:47:49.26 ID:bn6pT/5H0


少女「ねえ、聞きたいことがあるの」

執事「なんでございましょう」

少女「どうしてここには、あなたと私しか、いないの??」

執事「というと??」

少女「他の人…そう、たとえば、私の『お父さん』や『お母さん』」

少女「それに『友だち』は、なぜ、いないの??」

執事「…」

執事「いつか、その質問をされる時が来るとは、思っていました」


131:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 00:54:35.43 ID:bn6pT/5H0


執事「その答えは、そうですね…」

執事「世界が、そう、なったからございます」

少女「そう??」

執事「私と、お嬢様だけの世界に」

少女「どうして??」

執事「その理由は…わかりません」

執事「それに、もうだいぶ昔のことです」

少女「??」

執事「お嬢様は、おそらく覚えておられないでしょう」


133:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:00:01.27 ID:bn6pT/5H0


少女「私にも、家族って言うものが、いたの??」

執事「おりました」

執事「旦那様も、奥様も、お兄様も」

少女「そうなの…」

執事「とても良くして頂きました」

執事「素晴らしい生活でした」

執事「ですが、簡単に壊れてしまったのです」

少女「壊れちゃったの??」


135:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:08:35.15 ID:bn6pT/5H0


執事「お嬢様がまだ4つのとき、ふざけて地下のシェルターを閉めてしまったことがありました」

少女「覚えてないわ」

執事「旦那様しか知らないはずの暗証キーを、なぜかお嬢様が知っておられました」

少女「…」

執事「私と、お嬢様と、そこに7日間閉じ込められることになったのです」

少女「…ごめんなさい」

執事「謝ることではありません、すんだことですから」

執事「それに、まだとても幼いころです。仕方のないことです」

少女「…うん」

執事「そして…」

少女「その間に、なにがあったの??」


136:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:13:30.38 ID:bn6pT/5H0


執事「なにがあったのか、正確にはわかりません」

執事「その間に、旦那様も、奥様も、お兄様も姿を消しておりました」

少女「…」

執事「人間がすべて消滅してしまったのです」

少女「…」

執事「核爆発か、あるいは宇宙人でも襲来して来たのか…」

少女「怖い」

執事「死んでいる者すら、いなかったのです」


138:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:17:12.11 ID:bn6pT/5H0


少女「でも、牛や鶏やロボットは元気よ」

執事「そうなのです、人間だけが、なぜか消滅したのです」

執事「この島以外の誰とも、連絡が取れませんでした」

少女「どうしていなくなっちゃったの??」

執事「私にもわかりません」

執事「あるいは、人間だけに効くウイルスでも流行ったのでしょうか」

少女「ウイルス??」

執事「病気の素です」

少女「ああ」


139:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:21:20.51 ID:bn6pT/5H0


執事「しかし、原因を考えても、きりがありません」

執事「それに、お嬢様はまだ4つ」

執事「私が育てあげると、心に決めたのもその日でした」

少女「そうだったの…」

執事「お嬢様は周りのものすべてに興味津々でしたから、言葉をお教えするのが大変でした」

少女「そうだったかしら」

執事「最初お嬢様は、『リンゴ』という言葉を覚えました」

執事「あの日のことはよく覚えております」


140:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:26:50.81 ID:bn6pT/5H0


少女「それから何年も何年も、私のお世話をしてくれていたのね」

執事「お嬢様が不安になるとは思っておりましたが、極力そのことに触れないよう努めてまいりました」

少女「なんだか、頭がパンクしちゃいそうだわ」

執事「そうでしょう」

執事「たくさんのことをお話しして申し訳ありません」

少女「それはいいの」


141:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:30:35.01 ID:bn6pT/5H0


少女「ねえ、あなたも、いつかいきなり消えるなんてこと、ないわよね」

執事「ない、とは言い切れませんが、お嬢様を残して消えるわけにはいきません」

少女「…」

執事「お嬢様が消えてしまわないかも心配です」

執事「あれから何年も、そのことを不安に思わない日はありませんでした」

執事「朝起きて、お嬢様の声を聞くとほっとするのです」

少女「私も、あなたの声を聞くとほっとしたわ」

執事「同じですね、私たち」

少女「おそろい!!」


142:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:34:13.71 ID:bn6pT/5H0


執事「さて、夕食までは少し時間がありますが…」

少女「少しお腹がすいたけれど、今はなんだか、離れたくないの」

執事「そうですか…」

執事「私も実は、ここを離れたくなかったところです」

少女「おそろい!!」

執事「おそろいですね」

少女「じゃあ、他のお話をして」

執事「そうですね」


143:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:38:36.68 ID:bn6pT/5H0




少女「あなた、やっぱり、お話するのが上手ね」

執事「そうですか」

少女「聞いていて、よく内容が分かるもの」

執事「それはお嬢様の想像力が豊かだからです」

少女「いいえ、あなたの力よう」

執事「ははは、お褒めにあずかり光栄です」

少女「あ、あのね」

執事「はい??」


145:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:43:27.35 ID:bn6pT/5H0


少女「昼間見た、あのきれいな模様の名前、思い出したの」

執事「え??」

少女「あなたの本で見たの、写真が載ってたの」

執事「そ、そうですか」

少女「オウロラって言うのよね、あれ」

執事「…」

少女「きれいだったなあ」

少女「写真もきれいだったけど、本物はもっときれい」


147:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 01:47:09.15 ID:bn6pT/5H0


執事「オウロラ…」

少女「ね」

執事「そうですね、本当にきれいでした」

少女「明日も見れるかなあ」

執事「そうですね、見れるといいですね」

少女「うふふ」

執事「…」

執事「お嬢様、ときに」

少女「ん??」


149:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:01:01.62 ID:bn6pT/5H0


執事「空の上にあるのは、なーんだ??」

少女「空の上??」

少女「雨じゃない??」

執事「いいえ」

少女「え、でも」

執事「雲の上、が雨でございます」

少女「あ、そっか」


150:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:06:51.33 ID:bn6pT/5H0


執事「謎謎ですから、ソラの上は…」

少女「シ!!」

執事「正解です」

少女「やた!!」

執事「これは謎謎ではありませんが、夏の次はなんの季節でしたっけ」

少女「春!!」

執事「そう、正解でございます」


151:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:12:18.54 ID:bn6pT/5H0


少女「それがどうかしたの??」

執事「雲の上に雨が降るのも、夏の次に春が来るのも」

執事「この地でオウロラが見れることも、本当は異常なのです」

少女「イジョウ??」

執事「おかしい、普通じゃない、ということです」

少女「そうなの??」

執事「私たち以外の人間が消えたときから、ずっとそうなのです」

少女「イジョウなの??」

執事「ええ」

執事「お嬢様はずっとそれが普通だと思って生活してこられましたが…」


152:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:17:55.95 ID:bn6pT/5H0


少女「じゃあなんで普通じゃなくなったの??」

執事「それも、わかりません」

執事「もしかすると、世界の…」

少女「世界の??」

執事「…」

執事「世界のなにかが、おかしいのでしょう」

少女「わかんない」

執事「まあ、きれいなものが見れるというのはいいことですからね」

少女「そうね♪」


153:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:22:05.50 ID:bn6pT/5H0


執事「私はもう長いこと生きてきましたが…」

執事「お嬢様と二人っきりになってからの日常は、それまでの非日常でした」

少女「どういうこと??」

執事「普通じゃない状態に慣れるまでが大変だったのです」

少女「ヒニチジョウもイジョウと同じ意味??」

執事「そうですね」

少女「うーん」

執事「たとえば、明日ツヨシの模様が水色の水玉になっていたらどう思いますか」

少女「変!!」

執事「それから、私がとても若くなっていたら…」

少女「ステキ!!」

執事「あ、ああ、そうですか」


154:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:28:28.66 ID:bn6pT/5H0


執事「じゃあ私が4本腕になっていたり、女になっていたら??」

少女「…変」

執事「そうですよね」

執事「いきなりそんなことになって、それに慣れるのは大変だと思いませんか」

少女「うん」

少女「そんなことには、ならないよね??」

執事「ええ、そう願います」


155:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:34:01.22 ID:bn6pT/5H0


少女「…」

執事「さて、ではそろそろ食事の用意を」

少女「離れたくない」

執事「そうですよね」

執事「なので今日は一緒に作りましょうか」

少女「私、お料理下手だよ??」

執事「でも私ひとりでつくるよりも、楽しいでしょうから」

少女「そっか」


156:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:38:48.64 ID:bn6pT/5H0


執事「では、お料理の前に謎謎です」

少女「ん??」

執事「あなたが『それ』を殺しても、あなたが『それ』を引き取るまで」

執事「『それ』はあなたにつきまといます。『それ』ってなーんだ??」

少女「…」

執事「ゆっくり考えてください」

少女「あなた」

執事「違い…いや、違わないですが違います」

少女「まあ、絶対殺さないけどね」

執事「もっと身近なものですよ」

少女「あなたよりも身近なものなんて、ないけど」

執事「ははは」


157:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:45:16.34 ID:bn6pT/5H0


少女「引き取る…引き取る…」

少女「殺す…それを殺す…」

執事「…」

少女「!!」

少女「わかった!!息ね!!」

執事「おお、正解です!!」

少女「やたー」

執事「ちなみに」

少女「ん??」


158:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 02:49:27.39 ID:bn6pT/5H0


執事「今ので本日5回目の正解です」

少女「え、本当!?」

執事「新記録ですね」

少女「やったー♪」

執事「今日のご褒美は、なににしましょう」

少女「んっとねー」

執事「…」


160:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 03:00:52.73 ID:bn6pT/5H0


少女「私が息を引き取るまで、そばにいること!!」

執事「ほう」

少女「絶対離れちゃダメ!!」

執事「なるほど」

少女「してくれる??」

執事「ええ、お嬢様がお望みとあらば」

少女「私も、あなたから離れないから」

執事「ええ、私もそれを望んでおります」

少女「えへへ」

★おしまい★


163:HAM ◆HAM/FeZ/c2 :2010/12/05(日) 03:04:20.83 ID:bn6pT/5H0


ありがとうございました。

よろしければこちらもどうぞ。
http://hamham278.blog76.fc2.com/


164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:05:10.79 ID:gX/gPCmy0


おつかれ
いい終末感だ


167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 10:26:49.09 ID:tj+MF0raO


ふう…


168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 11:33:38.87 ID:AZ0pHf3z0


>>1

いい話だなー



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